研究課題/領域番号 |
21380068
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
町田 幸子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品バイオテクノロジー研究領域, ユニット長 (30353981)
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研究分担者 |
石川 祐子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, ユニット長 (40353940)
渡辺 純 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (10374729)
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キーワード | 酸化LDL / 酸化LDL受容体 / LOX1 / 競合ELISA |
研究概要 |
酸化LDL受容体であるC type Lectin-like LDL receptor (LOX-1)は、細胞上ではオリゴマーを形成して動脈硬化の危険因子である酸化LDLを認識することが示されている。動脈硬化発症に関係する因子を検出する認識素子としてLOX-1のリガンド認識能を再構築した際に、最も安定で効率的に認識能を発揮する分子形態を明らかにする目的で、溶液中、並びに、固相に固定化した際のLOX-1の構造を解析した。その結果、溶液中でも固相上でも、細胞膜領域と認識領域の間に存在するリンカー的なネック領域を導入すると、分子としての安定性が損なわれ、最も安定にオリゴマーを形成するのは、分子間S-S結合の形成に必須なC140までのネック領域の一部を含むCTLD14と名付けた構造であることが明らかとなった。また、再構築LOX-1の活用により、酸化LDL上の修飾に伴い形成される分子構造の検出に関しては、予想されたようにサンドイッチELISAにより酸化ストレス反応の結果生じるアルデヒドの存在を検出可能なことが示されたが、感度的に酸化の初期状態を捉えるには至っていない。検出可能なアルデヒドとして、マロンジアルデヒドMDA)なども上げられたが、最も有望な発症の指標になるような検出対象は、4-hydroxyy-2-nonenal(HNE)であった。さらに高脂血症モデルマウスを対象に、再構築LOX-1による生体内の危険因子検出にも着手した。その結果、血清中に非特異的に反応する分子が存在するが、蛍光標識した酸化LDLに対する競合ELISAにより、特別の前処理を経ることなく、血清中の動脈硬化の危険因子の検出が可能なことが示された。
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