研究課題
本研究は、食事の内容に加えて、運動や生活リズムなど他のファクターを視野に入れ、各種の生体分子の網羅的解析を組み合わせて行って、食が生体に及ぼす影響を総合的に理解することを目的としている。まずこの目的において最も適切な運動モデルを設定するため、運動の方法、時間、強度の検討を行った。高脂肪食を摂取させたラットをトレッドミルで走行させ、遺伝子発現の変化を網羅的に解析したところ、グルココルチコイド受容体などの変化が認められた。また、トランスクリプトミクスとメタボロミクスの統合を目指し、既に得ているタンパク質栄養悪化(無タンパク質食摂食)ラットの肝臓を用いて、メタボロミクス解析に供した。TCAサイクルの中間体や、グルタチオン関連の変化が多く認められ、トランスクリプトミクス解析結果との多くの対応を見出すことができた。さらに、生体リズムが栄養素などの食事因子の効果にどのような影響があるかを調べる基礎データとして、短時間摂食後に末梢での発現が変動してくる時計遺伝子を肝臓のDNAマイクロアレイ解析により調べた。Per2遺伝子が摂食刺激の応答を非常に顕著に受けることなどが明らかとなり、今後食事と時間因子との組み合わせを解析する上でのツールとして有効であると考えられた。一方、ニュートリゲノミクスデータベース(http://www.nutrigenomics.jp)に関しては、インターフェースのさらなる改良や動作の高速化を図り、より便利なツールとして完成に近づけた。
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http://www.nutrigenomics.jp
http://www.keggle.jp