研究課題
マイルドなカロリー制限によって、肝臓のプロヒビチンの量が上昇することを既にプロテオーム解析から明らかにしているが、本年度プロヒビチンの寿命延伸効果に関わるAMPKやRbに関して、マイルドカロリー制限ラット肝臓における遺伝子発現が増加していることなどを明らかにし、プロヒビチン経路がカロリー制限による健康効果に寄与していることを確認した。さらに、運動負荷と食品成分の相互作用を明らかにするため、2週間タウリンを与えICRマウスにおいて、トレッドミルにより30分運動をさせ、肝臓において脂質代謝や糖代謝に関わる遺伝子の発現を解析した。脂肪酸不飽和化酵素SCD1の発現がタウリン群で有意に減少しており、脂肪合成が減少していることが示唆された。タウリン投与の遺伝子発現に対する効果をDNAマイクロアレイ解析により調べた結果では、カルボン酸代謝、プロテインキナーゼ経路、細胞死抑制に関わる遺伝子群が顕著に発現変動していた。筋管細胞を用いての検討では、タウリンにより糖の利用が低下することが明らかとなり、エネルギー源として脂質の利用が向上していることが示唆され、長時間の運動を効率よく行うことに寄与していると考えられた。一方、ラットへのアミノ酸過剰投与の影響について、トランスクリプトームとメタボロームを組み合わせて解析を行い、両者で顕著な変化を示した因子についてクラスター解析に供したところ、両手法の結果は良く相関することが確認された。ニュートリゲノミクスデータベースについては、さらなる高速化を達成し、他のデータベースとの連携、データの拡充などさらに充実させた。
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