研究課題
Nutrigenomics Databaseに関しては、前年度同じ処理条件におけるトランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスのデータを統合して俯瞰できる機能を付与させてきたが、前年度までに取得したデータの解析に応用し、統合オミクス解析のツールとしての有効性を検証した。マウスおよびラットを高脂肪食で飼育し、同時にコーヒーポリフェノールや香辛料成分を摂取させ、肝臓、筋肉について、DNAマイクロアレイ解析を行って、その効果を網羅的に検討した。コーヒー成分では、PPAR gammaとその標的遺伝子の変動が顕著であることが見出された。また、プロテオミクス解析およびメタボロミクス解析を行ったところ、TCAサイクルや尿素サイクルの上昇が見られ、エネルギー産生の増加が示唆される一貫した結果が得られた。香辛料特にシナモンの摂取による遺伝子発現プロファイルの変化を既存のマイクロアレイデータと比較することで、香辛料の新たな機能性を解明することが可能となった。さらにロイシン摂取ラットにおいて、肝臓および血液のトランスクリプトームとメタボロームの解析を行い、それら両者からロイシン過剰摂取に応答するバイオマーカーを抽出する手法も確立した。一方、遺伝的高血圧易発症ラットモデルにおいて、妊娠時に低タンパク質食を与え、仔ラットの成長後の血圧を解析するとともに、腎臓等における遺伝子発現プロファイルの解析を進めた。胎児期栄養悪化により、カリクレイン・キニン系やアラキドン酸経路の遺伝子が多く変動していた。これにより、前年度までに進めてきた運動や生体リズムという要因に加えてライフステージの視野も取り込んでの統合オミクスとして発展させることができた。
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