樹木の更新プロセスのうち、(1)種子の二次散布、(2)異なるコホート、(3)個体間競争、がそれぞれ林分内遺伝構造に与える影響について、(1)ミズナラ、ヤチダモ、(2)ヒメシャラ、(3)ウダイカンバを用いて検証を行った。(1)では種子の二次散布を検出し、二次散布により散布距離が長くなっていることを示した。さらに(1)では二次散布により、(2)ではコホートの重なりによって遺伝構造が弱められる可能性が示唆された。(3)では家系内競争試験により、非兄弟間に比べて兄弟間の競争がより激しいため、一斉更新した稚樹の強い家系構造が実生成育の初期段階で解消されることが実証された。
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