研究課題/領域番号 |
21380092
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丹下 健 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20179922)
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研究分担者 |
益守 眞也 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (50282702)
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キーワード | 通水抵抗 / 水ストレス / 土壌特性 / 樹高成長制限 / 大気湿度環境 / 葉の解剖学的形質 / 光合成特性 / 地形解析 |
研究概要 |
東京大学千葉演習林の100年生前後のスギ高齢林10林分で樹高と立地環境との関係を調べてデータを追加し、総計26林分、70地点でのデータを解析し、土壌水分条件の指標と土層厚、開空度を説明変数とした重回帰式によって樹高を精度良く推定できることを明らかにした。樹高が同程度で年樹高成長量が異なるスギ人工林の土壌と細根の分布を調べ、年樹高成長量の小さい人工林の土壌は、軟らかい土層が薄く、細根の分布が表層に限られることを明らかにした。樹高と年樹高成長量の異なるスギの葉内CO2拡散抵抗を測定し、樹高よりも現在の年樹高成長量と葉内CO2拡散抵抗により高い相関があることを明らかにした。同じ成木の供試木でも、年による年樹高成長量の違いによって葉内CO2拡散抵抗が異なることを明らかにした。葉内CO2拡散抵抗や年樹高成長量は、カルボキシル化効率と有意な相関が認められた。このことから、年樹高成長量の小さい成木で光合成速度が低い原因は、葉内CO2拡散抵抗が高いことによることを示唆した。柵状組織の空隙率等を調べたが苗木と成木で有意な違いは認められなかった。細胞壁の厚さについては、年樹高成長量の小さい成木の葉で、苗木の葉よりも厚い傾向が確認された。年樹高成長量が小さい成木の葉に、夜間水滴を付着させる処理を1週間継続したところ、光合成速度や気孔開度の変化は認められなかったが、当年シュート木部の通水抵抗が低下し日中の水ポテンシャルの低下が有意に緩和されることを明らかにした。水分生理状態を測定した結果、水滴付着処理を行うことによって日中の水ポテンシャルの低下が有意に緩和されることを明らかにした。スギのシュートへの重水溶液の付着実験を行い、重水が針葉表面からシュート内部の木部仮道管まで移動することを明らかにした。葉面から吸収された水がキャビテーションを起こした仮道管に再補充され通水抵抗が低下した可能性を示唆した
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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