研究課題/領域番号 |
21380096
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉岡 崇仁 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (50202396)
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研究分担者 |
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60237071)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 生物地球化学 / 物質循環 / 溶存有機物 / 蛍光特性 / 森林土壌 / 水質 |
研究概要 |
本研究では、森林生態系の環境変化を示す溶存有機物の指標の創出を目指し、森林土壌-渓流系における溶存有機物の動態を解明することを目的とした。森林土壌-渓流系の異なる地点において土壌水、湧水、渓流水などを採取し、そこに含まれる溶存有機物の量と三次元蛍光特性の変化から溶存有機物の起源と変質を明らかとする。また、土壌試料に窒素栄養塩等を添加して培養実験を行うことにより、渓流水に広く見られる溶存有機態炭素濃度と硝酸態窒素濃度の間の逆相関関係が、森林土壌中における炭素循環と窒素循環の相互作用の結果であることの検証も試みた。 その結果、溶存有機物の多くを占める腐植物質には、複数の蛍光ピークをもつものが含まれており、その変化によって溶存有機物の量と質の動態を解析出来ることが示された。すなわち、森林由来の腐植物質は、長波長側に蛍光特性を有しているが、河川を流下する過程で質的変化を受けて短波長側に蛍光ピークが移動することが示唆されるとともに、中・下流域の農地や市街地などからの人間活動由来の溶存有機物が混合することが示された。地面の傾斜が、河川水中の溶存有機物の質と量に影響を及ぼしていることが明らかとなったが、森林の多い上流域では、傾斜が緩いほど溶存有機物量が減少するのに対して、農地や市街地が多くなる中・下流域では関係者ほど溶存有機物が増加しており、傾斜と土地利用の双方が溶存有機物の動態に影響を及ぼしていることが示唆された。また、土壌培養実験からは、有機物と窒素栄養塩の動態が密接に関係しており、その結果が渓流水質に反映していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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