研究課題/領域番号 |
21380102
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
近藤 禎二 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 部長 (20370827)
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研究分担者 |
渡邉 敦史 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 室長 (10360471)
宮本 尚子 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター遺伝資源部, 主任研究員 (30370844)
平尾 知士 独立行政法人森林総合研究所, 森林バイオ研究センター, 研究員 (90457763)
津村 義彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (20353774)
高田 克彦 秋田県立大学, 教授 (50264099)
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キーワード | スギ / 系統地理学 / 核DNA / 環境適応的遺伝子 / ミトコンドリアゲノム / 父性遺伝 / コアコレクション / GIS |
研究概要 |
スギの環境適応的遺伝子であるCC0539を全国の31の天然林集団について遺伝子型解析を行った。その結果、日本海側に分布するスギ天然林集団と太平洋側に分布する集団で保有している対立遺伝子頻度が大きく異なっていた。また中立性の検定(Tajima'D,Fu&Liテスト)でも有意な値を示した。また天然林集団の遺伝子頻度と各地点の降水量に高い相関関係が見られた。現時点ではこの遺伝子の機能は分からないが、この遺伝子または近傍の遺伝子が淘汰を受けた結果であることが示唆された。 ミトコンドリアゲノムについては、シロイヌナズナ、イネ、トウモロコシ、ソテツのミトコンドリアゲノムをベースに13遺伝子領域をターゲットにしたユニバーサルプライマーを設計した。13遺伝子領域をPCR増幅した結果、7遺伝子領域で顕著な増幅が認められ、それらの領域についてはスギ精英樹6個体を用いてダイレクトシーケンスを行った。7遺伝子領域5,543bpの塩基配列を決定した結果、atp1遺伝子にトランスバージョンを伴うSNP(G-T)が検出でき、このSNPを利用して1家系48個体についてミトコンドリアゲノムの遺伝性について検証した。その結果、全ての個体で父親由来の多型を示したことから、スギミトコンドリアゲノムの遺伝性は葉緑体ゲノムと同様に父性遺伝することが分かった。 また、GISを利用してスギ精英樹全てをマッピングしたデータベースを基に地理的・環境的・遺伝的観点から全体の8割をカバーするコアコレクションを策定した。今後はコアコレクションを評価することでスギ精英樹全体を評価できる可能性がある。
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