研究課題/領域番号 |
21380108
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鈴木 滋彦 静岡大学, 農学部, 教授 (40115449)
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研究分担者 |
小島 陽一 静岡大学, 農学部, 助教 (80377796)
平井 卓郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20173205)
関野 登 岩手大学, 農学部, 教授 (30171341)
川井 秀一 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00135609)
外崎 真理雄 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 領域長 (00353780)
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キーワード | 木質パネル / 耐久性 / 性能評価 / 屋外暴露 / 炭素固定 / 促進劣化 |
研究概要 |
屋外暴露試験は自然環境を劣化負荷要因とする促進試験として位置付けられ、木質パネルの耐久性評価の重要なデータベースとなる。屋外暴露試験結果はそれ自身学術的な価値が高いことに加えて、他の促進劣化試験結果との関係を定量的に検証することで、耐久性評価手法の確立に貢献できる。 暴露開始6年経過後の基礎物性試験データをもとに、暴露開始前の初期値と対比することで、重量変化率、厚さ変化率、曲げ強度残存率、はく離強度残存率について時間経過に伴う劣化挙動を定量的に評価した。また、暴露地域の違いに依らない劣化指標を求めて、降水量と気温を因子とする劣化外力の概念を導入し指標αとして定量化した。この劣化指標を用いることにより、他地域における劣化を推定可能となった。さらに、日照時間、絶対湿度の日変化を加えた劣化要因の相互作用の影響を評価した。また、国内4カ所にて回収した暴露開始5年後の釘接合性能を、降水量、気温変化等の環境因子との関係から評価した。 海外および国内で多用されている促進劣化処理を代表して、V313法、ASTM-6C法、JIS湿潤曲げA法、JIS湿潤曲げB法、VPSD繰返し法を選出し、各種試験法の特徴を評価し暴露試験結果との対比を行った。パネルの強度を発現させる接着力を「仮想の接着点の数Nに代表させ」、「Nの減少速度が内在する接着点の数に比例する」と仮定することにより、強度低下と厚さ変化をNの減少と対応させて説明することができた。屋外暴露試験より求めた強度変化と厚さ変化について、上記モデルの当て嵌めを行い、劣化速度の評価を行った。また、両端自由条件下における、打撃音の減衰より対数減衰率を求め、これより内部損失を評価することにより、吸湿および脱湿の繰り返し処理による内部の接着点の質的変化を評価できた。
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