研究課題/領域番号 |
21380110
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高部 圭司 京都大学, 農学研究科, 教授 (70183449)
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研究分担者 |
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助教 (60273489)
粟野 達也 京都大学, 農学研究科, 助教 (40324660)
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キーワード | モノリグノール / 膜輸送 / コニフェリン / 逆遺伝学 / T-DNA / 木化 / シリンギルリグニン / シロイヌナズナ |
研究概要 |
本研究の目的は、モノリグノール類の輸送に関わる膜タンパク質を特定することである。これまでの研究で、モノリグノール配糖体の一種であるコニフェリンが駅訪中に活発に取り込まれることが判明している。また、一旦液胞中に取り込まれたコニフェリンが、細胞壁の木化が活発な段階になると、液胞中から徐々に消失して行くことも確かめられている。本年度は、逆遺伝学的手法によりモノリグノール輸送に関わる膜タンパク質を明らかにすることである。シロイヌナズナ共発現解析データベース(CSB.DB、CoP、ACDMT)を用い、モノリグノール生合成関連の遺伝子(例えばPAL、COMT、CAD)発現と協調発現している遺伝子群、膜輸送関連遺伝子群、膜貫通ドメインを持つ遺伝子群などを検索し、これらの中より候補遺伝子を絞り込んだ。このようにして絞り込まれた候補遺伝子にT-DNAが挿入された種子をシロイヌナズナ生物資源センターより取得し、栽培した。候補遺伝子にT-DNAが挿入されるとmRNAが分解されたり正しく翻訳されないため、モノリグノールトランスポーターが翻訳されなくなるものと考えられる。10~12週間栽培したシロイヌナズナ変異株より花茎を採取し、維管束や維管束間繊維のリグニン分布を調べた。その結果、シリンギルリグニンの呈色反応であるモイレ反応で弱く呈色し、化学分析によりシリンギルリグニン量が少ないことが示された変異株が1つ見つかった。シロイヌナズナのcDNAライブラリより候補遺伝子のcDNAを取り出して大腸菌で大量発現させ、タバコBY-2培養細胞で過剰発現させた。蛍光顕微鏡で候補遺伝子の発現部位を確認した所、細胞膜上での発現が明らかとなった。
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