研究課題
ウイルス性疾病やエドワジェラ症などの細胞内寄生性細菌による魚病の発生が増加している。これらの疾病に対する感染防御には細胞性免疫が重要であることが知られている。そこで我々は、T細胞機能に着目し細胞性免疫の誘導及び活性化による魚類疾病の予防法の開発を進め、本年度は以下の成果を得た。1.魚類特有のIFNγの構造及び機能の解明:魚類には哺乳類と相同なIFNγに加えて魚類特有のIFNγ遺伝子(IFNγrel)が存在し、ギンブナにおいては構造的に異なる2種類のIFNγrel(IFNγrel-1,IFNγrel-2)が存在することを明らかにした。また、IFNγrelが哺乳類とは異なるIFNγレセプターに結合し、異なるシグナル伝達を示唆する結果を得た。これは脊椎動物における新規なIFNの発見に繋がるものであり、今後の研究の発展が期待される。2種類のIFNγrelについても組換え体及び抗体を作製済みであり、IFNγと同様に組換え体の投与によるウイルスや細胞内寄生性細菌による感染症に対する予防効果について検討する予定である。2.移植片対宿主反応(GVHR)や鱗移植片拒絶に伴うCD4及びCD8陽性T細胞の動態解析やIFNγ産生能について解析し、アロ抗原刺激に伴うT細胞サブセットの分化及び活性化を明らかにした。3.IL-12を用いたTh1応答の誘導:細胞性免疫に関わるTh1型ヘルパーT細胞誘導に重要な役割を果たすIL-12分子を構成する2種類のタンパクIL-12p35,IL-12p40が会合した組換えIL-12の作製に成功した。4.コイの成熟T細胞を長期間に亘って増殖させる培養系を開発し、1細胞から単クローン性にCD4陽性T細胞を増殖させることに成功した。これらのクローン化CD4陽性T細胞が産生するサイトカイン産生パターンの解析よりTh2細胞の誘導が示された。
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