研究課題/領域番号 |
21380133
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 理事・副学長 (00214445)
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研究分担者 |
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50243382)
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20281876)
木田 克弥 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (70419216)
福田 晋 九州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40183925)
栗原 伸一 千葉大学, 園芸学部, 准教授 (80292671)
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キーワード | 行動経済学 / インターネット調査 / 飼養衛生管理 / 乳房炎 / 搾乳手順 / 酪農家 / 情報の吟味 / 農家行動 |
研究概要 |
平成21年度は、行動経済学理論に基づいた農家行動に関する整理、インターネットによる国内農家の家畜衛生管理に関する調査を実施し、海外調査地をエジプトとして、調査のための事前打ち合わせを行った。インターネット調査の結果は次の通りで、酪農家の家畜衛生に対する行動モデル構築のための有益な成果を得ることができた。 特定地域の酪農家の調査を実施する前に、国内の酪農家を対象にインターネット調査を試みた。農家数は3戸で、地域別では北海道が44%と最も多く、続いて中部地方17%、東北地方14%で、四国地方は0%であった。サンプルが地域の特性を強く受けている可能性が高く、単純な比較には無理があるが、1次接近としてデータの分析を行った。調査結果の概要では、情報を入手している農家ほど乳房炎の発生数は低い傾向を示すが、情報の入手の程度が低くなるほど乳房炎の発生の分散が多いくなる傾向がみられた。同様に、飼養衛生管理の実施程度と乳房炎の発生数との関係についてと、適切な搾乳手順の実施程度と乳房炎の発生数の関係についても同様な傾向が確認された。つまり、情報の入手の程度が低い農家、飼養衛生管理の実施程度が低い農家、適切な搾乳手順の実施の程度の低い農家においても、乳房炎の発生数が低い農家が一定程度あり、農家に対する衛生対策の指導の難しさの一端を知ることができた。衛生情報の入手程度、入手した情報の吟味の程度、飼養衛生管理基準の順守程度、適切な搾乳手順の順守程度の関係をみると、衛生情報の入手程度が高くても、情報の吟味がなされていない農家では、飼養衛生管理基準の順守程度との関係がみられず、入手した情報の吟味の程度の高い農家において、飼養衛生管理基準の順守程度の高さ、適切な搾乳手順の順守程度も高さに影響を与えていることが確認され、入手情報の吟味が重要なキーワードとなっていることが確認された。
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