研究課題/領域番号 |
21380133
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 理事 (00214445)
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研究分担者 |
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20281876)
福田 晋 九州大学, 農学研究科, 教授 (40183925)
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50243382)
栗原 伸一 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (80292671)
窪田 さと子 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90571117)
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キーワード | 生産・供給主体 / 選択 / 性格 / 家畜衛生管理行動 / ベトナム / デントコーン受託生産 / リスク / 作付行動 |
研究概要 |
農家をはじめとする食料の生産・供給主体は、多様な作物や技術から自らが望ましいと判断する作物や技術を選択し生産・供給を行っている。この選択する作物や技術の違いによって経営成果が異なり、リスクの水準も異なってくる。選択における望ましさには、個人の性格が反映されると仮定して平成23年度も研究を行った。 実施した研究は、まず、平成22年度に北海道のA町で行った農家の家畜衛生管理行動の調査を、同様の調査内容で海外において実施した。具体的にはベトナムのフエ市にあるフン・トラ地区で、調査結果の集計・分析については、調査の準備や調整等で時間を要したことから、平成24年度に行う予定である。 また、農家の作付の選択行動について、畑作農家のデントコーンの受託生産の行動について調査分析を行った。北海道の畑地型畜産地域では、畑作農家のデントコーン受託生産が、新たな自給飼料供給源として注目されている。畑作農家が受託するデントコーン生産については、黄熟するに伴う栄養価と重量のトレードオフを厳密に評価することが困難なことから、面積あたり一律の単価で精算をおこなう場合がある。この仕組みについては畑作農家で評価が分かれ、自らの経営努力が直接的に評価されることを望む畑作農家にあっては重量や栄養価をふまえた出来高精算方式を望み、畑作収入の安定性を望む農家にあっては面積あたり精算方式を評価している。これらの傾向は、デントコーン受託生産以外でも、価格変動の少ない畑作4品の生産が主なのか、変動の大きい食用バレイショが主なのかなど、作付の実態にも表れている。その背景としてはそれぞれの畑作農家の性格が反映されていると考えられ、安定志向のリスクaverterなのか、変動は大きくとも長期的に平均収益が高い作付構成を選択するリスクloverなのかが、作付行動および、デントコーン生産方式の評価を左右しているものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生産・供給主体の性格に関する調査内容が含まれるため、調査対象の選定や準備に時間を要したことから進捗状況としては、当初計画よりやや遅れているが、研究は目的に沿って実施されており問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
農家等の食品の生産・供給主体の作物・技術選択の性格による違いについて、さらに日本と海外の比較研究を進め、食の安全確保のためのフードシステムの支援方策について取りまとめる。また、仮想的な生産・供給主体として学生を対象とした調査方法を検討する。
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