研究課題/領域番号 |
21380136
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
櫻井 清一 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (60334174)
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研究分担者 |
霜浦 森平 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 助教 (40372354)
新開 章司 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30335997)
藤田 武弘 和歌山大学, 観光学部, 教授 (70244663)
市田 知子 明治大学, 農学部, 准教授 (00356304)
横山 繁樹 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 国際開発領域, プロジェクトリーダー (30425590)
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キーワード | 農業経済学 / 農林水産物 / 多角化 / 農村社会 / 比較分析 |
研究概要 |
本年度は、国内外の主要調査先を選定するための予備現地調査を行うとともに、予備調査で今後の重要な研究課題として明らかになった、地域コミュニティのガバナンスに影響を及ぼしている諸制度の状況について、対象地ごとに特徴を整理し、今後の比較分析に備えた。特に重視すべき知見は以下のとおりである。 1)インドネシア・ジャワ島中部の農村部における地域資源の付置状況とその利活用について調査を実施した。ジャワ島都市部の経済発展により農村ツーリズムの需要が生まれつつあることを確認した。調査地では特用農産物(特に果樹・薬草等)の加工販売が試行されるとともに、自然資源と農村由来の資源を組み合わせる形で農村振興を図るポテンャルがあることを確認した。またインドネシアの地方自治制度の改変が進み、これまで以上に地域レベルで責任を持って農村開発を進める必要があることを課題として確認した。 2)アメリカ・カリフォルニア州におけるローカル・フードシステムの再編方向を現地調査した。州の規制が改正されたとにより、農村から個別の都市住民への対面販売を前提として発展してきたファーマーズ・マーケットが、他の直売型流通システム(CSA,レストラン・食材供給会社への販売等)の窓口としての役割も果たしつつあることと、都市部の学校給食への供給により食育の要としての役割を担いつつあることを明らかにした。その一方で従来型の対面型コミュニケーションが崩れる恐れもあることを確認した。 3)制度の変化が農村経済の多角化に与えている影響を、現地調査の知見に加え文献レビューも行い比較検討した。開発途上国(特にアジア)では地方自治制度が発展・定着するとともにローカルマターの課題として農村全体の経済多角化が認識されつつある。一方、先進国では安全性をめぐる規制がグローバル化する中でどのようにローカルな資源を活用していくかが問われている。
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