研究課題/領域番号 |
21380138
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小野 雅之 神戸大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90224279)
|
研究分担者 |
坂爪 浩史 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (80258665)
佐藤 和憲 岩手大学, 農学部, 教授 (80355601)
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (00229105)
金 成學 山形大学, 農学部, 教授 (90361279)
木立 真直 中央大学, 商学部, 教授 (10224982)
|
キーワード | 農水産物 / 流通 / 垂直的マーケティング・システム / 小売市場再編 / スーパーの広域展開 / 卸売業再編 / 契約型取引 |
研究概要 |
1.わが国の農水産物種直的マーケティング・システムにおいては、大規模なナショナル・スーパーを中心に食品小売市場の再編が進むなかで、小売主導型流通システムが形成されてきた。この小売主導型流通システムの形成を軸にして、農水産物垂直的マーケティング・システムの理論的な研究と、地域に即した実証的研究を行った。その結果、小売主導型流通システムにおいては、生産者・納入業者との間で関係性の強化が進んでいるが、マーケティング・システムの垂直的統合が全面化しているわけではなく、特に総合小売業ほど垂直的統合は部分的とならざるを得ないことが明らかになった。 2.同時に、食品小売市場の再編に対応しつつ、卸売業の再編が進んでおり、大規模卸売業者への集中化が進むとともに、機能を拡充しようとする動きが現れていることが明らかになった。 3.また、地域別に見ると、リージョナル・スーパーの広域展開が進んでおり、上位スーパーへの集中度が高まっているなかで、その生鮮食品調達システムが、地域内の拠点卸売市場とともに広城展開先の中小規模卸売市場を併用するようになっており、それが卸売市場の消長に大きく影響するようになっていることが明らかになった。 4.他方で、食の外部化が進むなかで増加してきた加工用・業務用需要に対して積極的に対応しようとする産地が現れており、そこでは営業活動を活発化するとともに、生産部会の再編や営農指導体制の拡充を図っていることが明らかになった。 5.また、米についても産地・卸売業者・実需者の間での契約型取引が増加してきたが、米価変動のもとでの契約型取引が不安定性を持たざるを得ないことが明らかになった。 6.以上の日本における垂直的マーケティング・システムに関する研究とともに、韓国のブロイラー産業における「生産契約」、中国の新たなマーケティング・システム形成に向けて政策的に推進されている「農超対接」に関する調査・研究を行った。
|