研究課題/領域番号 |
21380141
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研究機関 | 農林水産省農林水産政策研究所 |
研究代表者 |
吉井 邦恒 農林水産省農林水産政策研究所, 上席主任研究官 (00356297)
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研究分担者 |
大山 達雄 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30134323)
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
勝又 健太郎 農林水産省農林水産政策研究所, 主任研究官 (10356298)
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キーワード | 農業政策 / 農業保険 / インデックス保険 / 農業リスク / リスク管理 |
研究概要 |
(1)全国農業共済協会の協力を得て平成21年度に実施した地域インデックス保険等の保険需要に関するアンケート調査結果を、同協会が平成14年度及び20年度に実施した保険需要に関するアンケート結果と接続させて農業者のリスク意識の解明を行うため、データ整備を行った。また、戸別所得補償制度の本格実施が農業者の農業保険への需要に与える影響等について、農業共済団体やJA等において聞き取り調査を行い、同制度だけでは収入変動を緩和できず、同制度と整合がとれた収入変動対応支払いの仕組みが必要であることを確認した。 (2)平成21年度に構築した農業者ごとの収穫量データベースを用いて農業者ごとの収量・収入変動の状況を試算できるシミュレーションモデルを活用して、農業者ごとの実収穫量データに基づき、地域インデックスタイプの収入減少影響緩和対策と米価補てん金制度(平成23年度戸別所得補償制度の枠組みの中で導入予定)の支払い状況を試算し、収入に着目した仕組みの方が保険金の支払い機会が増えるものの、一定期間の支払合計額は価格に着目する方式と比べてもそれほど大きくは増加しないことを明らかにした。 (3)アメリカ及びカナダにおいて現地調査を行い、アメリカにおける地域インデックス保険や天候インデックス保険の実施状況や加入農業者の特性、今後のインデックスタイプの農業保険の展開方向、既存の農業収入安定化プログラムとの関係等について聞き取りを行うとともに、カナダのケベック州において、州ベースのインデックスタイプの収入保険である農業収入安定化保険について制度設計、実施状況、連邦レベルの農業収入安定化プログラムとの関係等について聞き取りを行った。その結果、両国において、農業保険とその他の収入安定化プログラムはほぼ重複がないように制度設計されていることを確認した。
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