研究概要 |
1.構造物の内部診断技術の精度向上 京都府内の実際に漏水などの問題のあるため池16個の現地診断を行った。今までの調査手法によりどのような状況の損傷個所でも推定が概ね可能であることを検証した。また,様々な規模や計測条件に対して,測定精度を上げるための試行錯誤を行い,安定した精度で計測できるようになった。 また,弾性波探査でより簡便に構造物内の弾性波速度分布を推定する手法の検討を行った。現在,その手法の高度化を検討している。 2.地震時および越流時の挙動予測手法の開発 小型模型を用いて,含水比,粒度特性,形状などが異なる場合の振動特性の変化を実験的に検討した。計測機器の埋設が困難であるので,供試体表面にマーカーを設置し,画像処理によってひずみ分布の時間変化を計測する手法を開発した。画像を1秒間に最大60枚撮影できるカメラを用いて計測した。 また,動的挙動を解析する基本的なプログラムを作成した。それによる解析では,模型実験を正確に再現するには至らなかった。しかし,堤頂部と底部の時間遅れ,せん断ひずみ分布の変化,加速度応答曲線におけるピークといった,模型実験において観測された幾つかの現象を再現した。 3.防止工法の抑止力の評価手法の開発 防止工法自体の調査を評価手法の機能向上を検討した。評価には越流破壊の予測手法,温度・降雨強度などの環境条件の変化による構造特性の変化,不均一な構造の推定法について検討した。
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