研究概要 |
本年度の研究成果は以下のように要約できる。 1.車両の直進走行を補助するヒューマンインターフェースの実現のために必要なタイヤへ作用する力と,車両の運動との関係を明らかにするための試験方法を検討した。まず,ユニバーサル・マシンによるタイヤの振動試験を行うためにタイヤの取り付け台を作製した。 2.傾斜地や軟弱地での安全性の確保のためのヒューマンインターフェース開発を目的として、現有する履帯型トラクタの改造を行った。その内容は次のとおりである。これまで、車体に直接配備していたジャイロセンサ、GPSレシーバー、レーザーレンジファインダをコントロールボックスに収納し、走行安全のためのシステムを一元化できた。 3.ヒューマンインターフェースによるトレーラ後退制御には、理論的に求められるトラクタとトレーラとがなす角度になるように単純な比例フィードバック制御を用いていたが、トラクタとトレーラがなす角度が小さくなると入力への応答が極端に小さくなる問題があった。そこで応答の高速化のために、単なる比例制御ではなく極配置による制御を導入して,その効果をシミュレーションによって検討した。その結果、後退時のトレーラの応答性が向上することを確認できた。 4.傾斜地での安全性確保のためのヒューマンインターフェースのために必要なセンシング法について検討した。まず予備実験として、ランドマーク(道路コーン)を任意して道路走行する実験を行い、走行が可能であることが確かめられた。しかし、より精度を向上させるには、コーンを識別にパターンマッチング手法を用いることが必要と考えられる。
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