研究課題/領域番号 |
21380156
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 博通 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (00258063)
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研究分担者 |
白石 斉聖 神戸大学, 農学研究科, 助教 (00304121)
宇野 雄一 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (90304120)
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キーワード | 葉菜中硝酸イオン濃度分布 / ハイパースペクトルカメラ / 近赤外線分光法 / 主成分回帰法 / PLS法 / パルスチェイス法 / ホウレンソウ / コマツナ |
研究概要 |
★葉面内硝酸濃度分布を測定可能な画像処理システムの構築 ハイパースペクトルカメラ(波長範囲400nm~1000nm、波長分解能9nm、水平画素数1280画素)の受光部はラインセンサとなっており、一次元の画像のみ取得可能である。このためフラットベッドスキャナのようにカメラを単軸ロボットに取り付けてカメラを移動させながら被写体を走査し、複数の一次元画像を合成して二次元画像を取得した。これらの処理をPCで制御した。当初光源としてフラッドランプを使用していたが熱線照射により葉に傷害が生じないようハロゲンランプ光源システムを導入した。 ★近赤外線分光スペクトルから硝酸濃度を推定する検量線(重回帰式)の作成と硝酸濃度分布画像の合成 供試植物はホウレンソウ及びコマツナである。培養液や地上部環境を調節して植物葉内硝酸濃度を調飾した。撮影前に葉を葉柄と葉身に細かく分割して葉片を準備し、画像処理システムでこれら葉片を走査し、分光画像を撮影した。次に各葉片の硝酸濃度をイオンクロマトグラフによって測定した。分光画像と各葉片の硝酸濃度測定結果160サンプル分をPCR法及びPLS法により解析して検量線を作成した。検量線決定係数はコマツナで0.855、ホウレンソウで0.883となった。検量線を使用して画像中葉面内各点の硝酸濃度を計算し、分布画像を合成した。 ★パルスチェイス法による葉面硝酸濃度分布変化の推移計測 栽培中のホウレンソウ及びコマツナに対して一定時間間隔で培養液を養液と水で置換するパルスチェイス法により葉内硝酸イオン濃度を人為的に変化させた。このときに画像処理システムによって葉面内硝酸イオン濃度を測定し、硝酸イオン濃度が変化する様子を計測することができた。この結果、葉内で硝酸イオン濃度が高い部分と低い部分を特定することができ、これらの部分から葉肉細胞を採取して硝酸還元酵素活性を測定して硝酸イオン濃度との関係を解析することにより硝酸還元酵素活性を誘導するシグナル伝達物質同定解析につなげることができる。
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