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2009 年度 実績報告書

樹木の環境応答を利用した高効率クローン苗生産の開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21380157
研究機関大阪府立大学

研究代表者

渋谷 俊夫  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50316014)

研究分担者 塩崎 修志  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10235492)
キーワード挿し木 / 発根 / 貯蔵 / ポプラ / 栄養繁殖 / 閉鎖型苗生産システム
研究概要

樹木クローン苗生産システムの効率化を目的として,樹木挿し穂を低温で管理し,発根部位のみを適温に加温処理するボトムヒート貯蔵法の効果を調べた.ポプラ挿し穂を気温10℃の低温庫で管理し,挿し穂の発根部位を20℃~40℃に加温した水に浸ける処理を行い,処理開始14日後における発根率,発根数および根部乾物重を調べた,処理中の光合成有効光量子束密度(PPFD)は10μmol m-2s-1とした.これは気温10℃におけるポプラの光補償点付近である.実験の結果,ポプラ挿し穂は発根部位を加温することで,気温10℃の低気温条件においても7日間程度で発根することが,発根に最適な処理温度は30℃であることが明らかとなった,次に,ポプラ挿し穂を気温10℃で発根部位を30℃に加温するボトムヒート貯蔵を6日間行った後に固形培地に挿し木して,気温30℃,相対湿度90%, PPFD100μmol m-2s-1の閉鎖型チャンバーで6日間育成した,対照区として,ボトムヒート貯蔵せずに挿し木して,閉鎖型チャンバーで12日間育成する試験区も設けた.その結果,ボトムヒート貯蔵した試験区では,挿し木して閉鎖型チャンバーに移してからの発根が早くなることが明らかとなった.しかし,ボトムヒート貯蔵中に葉の乾燥による劣化がみられ,対照区よりも品質が低下する傾向がみられた.ポプラの休眠枝を用いて同様の実験を.行った結果,ボトムヒート貯蔵によって休眠芽からの萌芽と発根の両方が促進される傾向がみられた.ボトムヒート貯蔵にかかるエネルギーは,閉鎖型チャンバーで適温・高湿度条件に保つために必要なエネルギーに比べて小さかったことから,発根・萌芽促進効果を安定して得ることができれば,樹木クローン苗生産における発根・萌芽までの生育管理に必要なエネルギーコストを低減できると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低気温下でのボトムヒート処理を用いた樹木クローン苗生産技術の開発2010

    • 著者名/発表者名
      佃修平・渋谷俊夫・塩崎修志・谷口亨・土屋和・遠藤良輔・北宅善昭
    • 学会等名
      日本農業気象学会2010年全国大会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      2010-03-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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