研究課題/領域番号 |
21380158
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研究機関 | 独立行政法人農業環境技術研究所 |
研究代表者 |
吉本 真由美 独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 主任研究員 (40343826)
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研究分担者 |
岡田 益己 岩手大学, 農学部, 教授 (10355274)
福岡 峰彦 独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 主任研究員 (40435590)
兼松 誠司 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター・生産環境研究領域, 上席研究員 (80343961)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ケイ酸 / イネ / 開放系高CO2実験 / 穂温 / いもち病 / 温暖化 / 高温障害 / 蒸散 |
研究概要 |
1998年から2009年にかけて岩手県雫石町で実施された水田FACE実験において、高CO2濃度条件で水稲葉身のケイ酸濃度が減少し、いもち病に感染しやすくなるという報告があったことから、水田FACE実験のサンプルを分析し、高CO2濃度下のケイ酸吸収の実態を把握した。 FACEリング内に標準窒素区(SN)、少窒素区(LN)、多窒素区(HN)を設け、分げつ期(TI)、幼穂形成期(PI)、出穂期(HD)、登熟中期(MR)、成熟期(MT)にサンプリングし、部位別に乾物重、窒素濃度、ケイ酸濃度および葉面積などを調査した。 部位別ならびに生育時期別のケイ酸濃度は、それぞれ特徴的な変化を示した。茎部(葉鞘+稈)のケイ酸濃度は生育の経過とともに上昇するが、その程度は葉身(緑葉)に比べて小さかった。これに対して穂のケイ酸濃度は登熟が進むと顕著に低下した。これはデンプンの蓄積によるものである。窒素とCO2 濃度の作用も部位により異なった。茎部では多窒素による濃度低下は小さく、高濃度CO2 によって濃度が低下した。葉身では多窒素と高濃度CO2 がともに、ケイ酸濃度を低下した。一方、穂では高濃度CO2の影響は小さかった。高濃度CO2や多窒素によって乾物生産量が増加するが、それに見合った量のケイ酸を吸収あるいは分配していないために、その濃度が低下すると考えられるが、乾物重の増加に伴う希釈だけでは説明できなかった。 高CO2濃度でいもち病感染が高まった年度(1998年、2000年)では、PIにおける葉身のケイ酸濃度に有意な違いが表れた。しかし、葉身へのケイ酸分配に、他年度との大きな違いは見られなかった。生育初期から中期にかけて、葉身ケイ酸濃度は乾物重が小さいと、ケイ酸濃度が低い傾向にあるが、その傾向は年度によってばらつきがあった。乾物分配や気象条件がケイ酸の吸収・分配に関係すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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