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2009 年度 実績報告書

乳酸菌およびビフィズス菌の日和見感染機構の解明と安全性向上

研究課題

研究課題/領域番号 21380162
研究機関弘前大学

研究代表者

戸羽 隆宏  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10108483)

キーワード乳酸桿菌 / 上皮細胞 / 侵入性
研究概要

研究室で保存しているヒト腸管等由来Lactobacillus crispatusおよびL.gasseri菌株などを用いて、ヒト消化管上皮細胞様細胞であるCaco-2細胞monolayerへの付着および侵入性を評価した。侵入性はgentamicin protection assayにより評価した。その結果、全ての株で付着が見られ、付着率は10~53%であった。一方、侵入に関しては、侵入が見られない株が多かったが、3菌株で侵入が見られその侵入率は0.1~0.25%であった。付着性と侵入性には関連は見られなかった。走査型電子顕微鏡による観察で侵入らしき像は観察されたが、ruffling膜の形成は明瞭には観察されなかった。そこで、侵入と侵入時のCaco-2細胞表層の病変については次年度に透過型電子顕微鏡により確認することにした。細胞侵入性病原体であるArcobacter butzleriとの同時感染が、侵入性乳酸菌株およびA.butzleriの侵入性に与える影響を調べた。その結果、試験した侵入性乳酸菌株3株中1株でわずかに侵入率が増加した。一方、試験した2株のA.butzleriのうち、1株は侵入性が減少したが、1株ではわずかに増加した。
本年度の研究により、プロバイオティクスとして用いられることが多い、ヒト腸管由来lactobacilliにヒト腸管上皮細胞モデルへの侵入性を有する菌株があること、すなわち日和見感染する可能性がある菌株もあるととを明らかにした。さらには、侵入性Lactobacillus菌株が病原菌の細胞への侵入を促進する可能性も示唆された。
次年度以降の研究により、侵入性Lactobacillus菌株の自身の侵入および他菌に対する侵入促進の分子機構の解明により、より安全なプロバイオティック菌株の選抜法を確立したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Arcobacter butzleriの細胞侵入性および炎症性サイトカインの産生に与える乳酸菌の影響2010

    • 著者名/発表者名
      藤村江里子
    • 学会等名
      日本畜産学会第112回大会
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2010-03-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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