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2011 年度 実績報告書

乳酸菌およびビフィズス菌の日和見感染機構の解明と安全性向上

研究課題

研究課題/領域番号 21380162
研究機関弘前大学

研究代表者

戸羽 隆宏  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10108483)

キーワード乳酸桿菌 / 腸管上皮細胞 / 侵入性
研究概要

昨年度に引き続き、侵入性乳酸菌株としてLactobacillus crispatus JCM5810を、腸管上皮細胞モデルとしてCaco-2cell monolayerを用いて、侵入および細胞障害活性について検討した。昨年度までの研究で、JCM5810株はCaco-2cell monolayerの頂端側から侵入することを明らかにした。本年度はtight junctionに与える影響を調べた。その結果、感染後48時間でTERは、侵入性の病原菌Acrobacter butzleriでは50~70%、JCM5810では非侵入性乳酸菌株であるL.crispatus JCM8779と同程度の30~40%減少した。このことから、JCM5810株は弱いがtight junctionを破壊する活性を有することが示唆された。また、JCM5810株のアポトーシスおよびネクローシスの誘導活性を、TUNEL assayおよびMTT assayで評価した。その結果、アポトーシス誘導活性は観察されなかった。細胞障害活性は、菌体lysateでは観察されなかったが、生菌体添加時にA.butzleriよりは弱いものの観察された。昨年度の研究で走査型電子顕微鏡により、JCM5810を感染させたCaco-2cell monolayer表面を観察したところ、侵入を疑わせる像を観察したので、本年は透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、観察視野数が少ないためか、明瞭な侵入像は観察されなかった。
これまでの研究により、L.crispatus JCM5810株は(1)Caco-2細胞に頂端側および側面から侵入すること、(2)単層培養されたCaco-2細胞では基底面からの侵入率は低いこと、(3)弱いながら細胞障害活性およびtight junction破壊活性も有すること、(4)そこで、(3)の結果、側面からの侵入も起こる可能性があること、(5)侵入にはCaco-2細胞側のタンパク質合成を伴う、マイクロフィラメントの再構成が必要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 世紀を越えるビフィズス菌の研究2011

    • 著者名/発表者名
      上野川修一
    • 総ページ数
      20-24
    • 出版者
      日本ビフィズス菌センター

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公開日: 2013-06-26  

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