研究課題/領域番号 |
21380168
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
小川 晴子 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (10400079)
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研究分担者 |
大西 彰 独立行政法人農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ, 発生工学研究チーム長 (30414890)
小林 孝彰 名古屋大学, 医学部・寄附講座, 教授 (70314010)
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キーワード | 移植 / 拒絶反応 / 免疫寛容 / 血液型抗原 / クローン動物 / 核移植 / リンパ球 / ABO |
研究概要 |
慢性的な臓器不足を背景にABO不適合臓器移植が行われている。技術の進歩によりABO不適合移植の安全性は向上したが、不適合なABO抗原に対する抗体が産生される結果、拒絶反応が発生し得る。そこで、本研究では、移植を受ける患者本人のリンパ球を用いてABO抗原に対する免疫寛容を誘導する事により、ABO抗原に対する拒絶反応を阻止する事を目標としている。この研究を進める上で大型動物を用いた実験が不可欠であるが、最適な大動物実験モデルが存在しない。そこで、本研究課題では、ABO式血液型をヒト型に改変したクローン豚を作出し、この動物を用いた免疫寛容実験を行って研究を推進させる事を目指している。平成21年度の研究内容を以下に要約する。 1.ヒト型ABO抗原を発現するクローンブタの作出:核移植技術を用いて、ヒトのO抗原生成酵素(h-FT)、AまたはB抗原生成酵素(h-AT,h-BT)の遺伝子を導入したトランスジェニッククローン豚を作製中である。ヒト型A抗原発現ブタの作出は、既に得られたh-AT遺伝子導入クローン豚の体細胞にh-FT遺伝子を導入するリクローニング法により実施中である。O抗原発現ブタはh-FT遺伝子の導入により得られているが、更に作出を続行している。また、B抗原発現ブタは、O抗原発現ブタ由来の体細胞にh-BT遺伝子を導入するリクローニング法により実施予定である。 2.ブタリンパ球への遺伝子導入:免疫寛容の誘導に用いるブタリンパ球にヒト型AまたはB抗原を発現させるためには、h-FTとh-AT、またはh-FTとh-BTの遺伝子導入が必要である。ブタリンパ球に効率的に遺伝子を導入する方法を確立するために、ウイルスベクター及びそれ以外の手法を用いて研究を行っている。
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