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2009 年度 実績報告書

鳥類卵管の抗菌ペプチド発現機構の解明による自然免疫機能の強化戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21380174
研究機関広島大学

研究代表者

吉村 幸則  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (10167017)

キーワード鳥類 / 卵管 / 自然免疫 / 抗菌ペプチド / 繁殖 / 粘液糖鎖
研究概要

鳥類の雌性生殖器の感染防御機構を明らかにするために,抗菌ペプチドのトリβディフェンシン(avBD)の発現調節機能を中心に自然免疫機能とその調節機構を追究している.このために,卵管組織が微生物による感染を受けてavBDが産生・分泌されるまでの一連の細胞内の機構,そしてこのavBD産生・分泌機能に及ぼす卵管の機能状態の影響を解析している。本年度は、卵管粘膜で微生物の組織内への侵入を防ぐための粘膜バリアの特性をレクチン染色で解析したところ,粘膜表面はN-アセチルグルコスアミンを豊富に含む粘液で覆われていること,このバリアは産卵期に比べて休産期で脆弱化する傾向があることが示唆された.粘膜上皮細胞内にはN-アセチルガラクトスアミンも検出され,これの産生を調整する1つの要因としてエストロジェンが関わる可能性があることが示された.また,子宮部では卵殻が形成される.子宮部で産生されたavBDは卵殻へ移行して卵殻の宿主防衛に寄与することが考えられた.一方,グラム陰性菌の成分であるリポ多糖(LPS)が子宮部での3種のavBD(avBD-3, -11, 12)の分布と産生に及ぼす影響を解析したところ,LPSの生体内投与により,組織内のavBD蛋白が減少することが明らかになった.このことから,グラム陰性菌が子宮部に存在すると,子宮部組織からavBDが分泌されて,感染を防ぐものと考えられた.また,このavBDの分泌に開講分泌が関わる可能性を検討するために,SNAP25分子の発現を解析したが,avBDとSNAP25の局は異なっていたので両者の関係を示すには至らなかった.現在,LPS刺激がavBDの産生も刺激するかを遺伝子発現に及ぼす影響から解析しており,これが増加すればavBDの分泌だけでなく産生も促進されることを示すことができる.

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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