研究課題/領域番号 |
21380175
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
金子 浩之 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (60343993)
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研究分担者 |
菊地 和弘 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (20360456)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 応用動物 / 発生・分化 / 発生工学 / 原始卵胞卵 / 異種間移植 / カルニチン / ブタ |
研究概要 |
原始卵胞卵は個体再生の潜在的な資源と考えられる。原始卵胞卵を活用するためには、そのままでは発生能を持たない原始卵胞卵を人為的に発育させ初期胚、最終的には個体にまで発生させる系の開発が必要である。しかしながら、マウス体内で発育させたブタ原始卵胞卵由来の発育卵の胚発生能は極めて低い。これまでの本課題の研究成果から、このような回収卵に、ブタ体内で発育した卵から作製した細胞質小片を融合させると、胚発生能が著しく改善されることが明らかとなった。胚発生能改善の理由の一つとして、細胞質の融合によってミトコンドリアの活性が増加したことが想定される。最近、脂肪酸をエネルギー産生の場であるミトコンドリア内部に運搬するL-カルニチンが、ブタおよびマウスの卵の発生能を向上させたと報告されている。そこでH24年度では、胚発生能改善法の開発の一環として、マウスから回収したブタ卵の成熟培地に、L-カルニチンを添加し、回収卵の発生能の変化を解析した。 合計21匹のヌードマウスから583個の直径115μm以上のフルサイズに達したブタ卵を回収し、半数を10 mg/ml のL-カルニチンを添加した成熟培地(添加群)で、半数をL-カルニチンを添加しない成熟培地(無添加群)で46時間培養した。培養後の卵の成熟率はカルニチン添加群では40.8±9.6%(4反復の平均値±標準誤差)、無添加群では42.8±9.9%であり、両群間に有意差は観察されなかった。ついで、これらの成熟卵に体外受精を行い培養7日後の初期胚の発生率を観察した結果、両群とも初期胚の発生は観察されなかった。カルニチン添加によっても胚発生は観察されなかった本実験の結果から、これまで明らかにした細胞質小片の融合による発生率の改善には、ミトコンドリアではなく、サイトゾルに含まれる可溶性のメッセンジャーRNAおよびタンパク質等の関与が伺われた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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