研究課題/領域番号 |
21380176
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西邑 隆徳 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10237729)
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研究分担者 |
中島 郁世 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所, 主任研究官 (60355063)
保坂 善真 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00337023)
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キーワード | 筋細胞 / 脂肪細胞 / 線維芽細胞 / ミオスタチン / デコリン |
研究概要 |
筋肉量や脂肪蓄積を制御する成長因子・ミオスタチンが細胞外マトリックス分子の一つであるデコリンによってどのように制御されているかを検討した結果、本年度は、以下の成果を得た。 1.筋細胞における「デコリンによるミオスタチン調節機構」の解明 遊離型デコリンによるミオスタチン調節機構を解明することを目的に、遊離型デコリン存在下での受容体の活性化をデコリン不在下と比較検討した結果、EGFRのリン酸化程度は同じであったが、IGFIRのリン酸化程度は増加し、ActRIIBのリン酸化は低下した。以上の結果は、デコリンがミオスタチンの受容体への結合に影響するとともに、IGFIRを介したデコリンシグナルがミオスタチンシグナルにクロストークしている可能性を示唆している。 2.脂肪細胞における「デコリンによるミオスタチン調節機構」の解明 ミオスタチンの脂肪前駆細胞分化抑制効果に対するデコリンの影響を明らかにするために、ブタ脂肪前駆細胞株(PSPAおよびMSPA)を用いてデコリン存在下でのミオスタチンの作用を調べた。ミオスタチンはPSPAおよびMSPAの分化を抑制するものの、デコリン存在下ではその作用がやや低下する傾向がみられた。 3.線維芽細胞における「デコリンによるミオスタチン調節機構」の解明 線維芽細胞のECM産生能に及ぼすミオスタチンの作用を検討した結果、外因性ミオスタチンによってIII型コラーゲンの産生量が低下し、V型コラーゲンの産生量が増加した。このことはミオスタチンが線維芽細胞のECM産生能に影響することを示唆している。
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