造血系悪性腫瘍における低酸素反応性とアポトーシス耐性獲得機構の分子解析

2010 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21380194
• 研究機関: 東京農工大学
• 研究代表者: 田中 あかね 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (80418673)
• 研究分担者: 松田 浩珍 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80145820) ; 大森 啓太郎 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 助教 (20466915)
• キーワード: 肥満細胞腫 / リンパ腫 / 白血病 / 伴侶動物 / 細胞増殖

研究概要

1)Bcl-2ファミリータンパクの制御研究
・造血系悪性腫瘍細胞株を用いて、発現の亢進するアポトーシス抑制性Bcl-2ファミリータンパクや、それに対応するアポトーシス抑制性BH3-onlyタンパクに関し、細胞周期進行やアポトーシス耐性への関与を解析している。
・肥満細胞腫で特に発現が亢進するcyclin D3について、数種のsiRNAを作製し、予備試験を実施、阻止効率の高いsiRNAを選択している。
・本学動物医療センターにて、臨床症例から提供を受けた造血系悪性腫瘍組織におけるBc-2ファミリータンパクの発現プロファイルを解析している。
2)低酸素反応性分子及び関連因子の発現動態解析
・HIFに対するsiRNAを設計、低酸素濃度下のin vitro実験系に導入してHIF抑制効果を確認した。また、当該siRNAがin vivoでも効果を発揮することをマウスやラットのモデルで確認した。
免疫不全マウスへの移植実験系を用いて、経時的に癌組織における血流量の変化や浸潤・拡大動態を、経時的に調べた。また、様々なタイミングで腫瘍サンプルを採取して低酸素反応性転写因子群やその制御下にある血管内皮増殖因子などの発現動態をクロマチン免疫沈降法やリアルタイムRT-PCR法で検索し、血管新生にbFGFやHGFの発現が重要な役割を果たしていることを突き止めた。

研究成果

• [雑誌論文] Peroxisome proliferator-activated receptor γ-mediated suppression of dendritic cell function prevents the onset of atopic dermatitis in NC/Tnd mice. (2011)
  • 著者名/発表者名: Jung K, Tanaka A, Fujita H, Matsuda A, Oida K, Karasawa K, Okamoto N, Ohmori K, Jee Y, Shin T, Matsuda H.
  • 雑誌名: Journal of Allergy and Clinical Immunology 巻: 127 ページ: 420-429
  • 査読あり
• [雑誌論文] Evaluation of itch by using NC/NgaTnd mice : a model of human atopic dermatitis. (2011)
  • 著者名/発表者名: Tanaka A, Matsuda H.
  • 雑誌名: Journal of Biomedicine and Biotechnology 巻: 790436 ページ: Online Journal
  • 査読あり
• [雑誌論文] A novel NF-κB inhibitor improves glucocorticoid sensitivity of canine neoplastic lymphoid cells by up-regulating expression of glucocorticoid receptors. (2010)
  • 著者名/発表者名: Matsuda A, Tanaka A, Muto S, Ohmori K, Furusaka T, Jung K, Karasawa K, Okamoto N, Oida K, Itai A, Matsuda H.
  • 雑誌名: Research in Veterinary Science 巻: 89 ページ: 387-382
  • 査読あり
• [学会発表] PPARy-mediated suppression of dendritic cell function prevents the onset of atopic dermatitis in NC/NgaTnd mice. (2010)
  • 著者名/発表者名: Tanaka A, Jung K, Ohmori K, Matsuda H.
  • 学会等名: Skin Allergy Meeting 2010
  • 発表場所: イタリア・ベニス
  • 年月日: 2010-11-12
• [備考] 東京農工大学・獣医分子病態治療学研究室ホームベージ
  • URL: http://www.tuat.ac.jp/~mol_path/index.html
• [産業財産権] 移植用細胞シートの製造方法、移植用細胞シート、及び移植用細胞シートを用いる治療方法 (2010)
  • 発明者名: 田中あかね、松田浩珍
  • 権利者名: 田中あかね
  • 産業財産権番号: 特許願 2010-92683
  • 出願年月日: 2010-08-30