1.Acacia mangiumとA.auriculiformisの種間雑種優良系統数種を用いて、茎頂組織からの無菌植物育成条件を検討した。その結果、WPM培地にthidiazuron 0.1-1mg/lを添加した培地で、正常なシュート形成がみられた。これらのシュートは同組成の培地で節ごとに切って継代することにより、増殖が可能であった。増殖したシュートは、形質転換および倍加の実験材料として用いた。 2.A.mangiumの実生組織や、培養で得られたカルスや苗条原基集塊を対象に、Agrobacterium tumefaciensのEHA101(pIG121Hm)菌株を用いて形質転換の可能性を検討した。その結果、A.mangiumにおいて、実生の腋芽の付いた茎切片を接種材料にした場合に、ハイグロマイシン抵抗性でGUS遺伝子を導入したカルスが得られた。このカルスを継代している間に、不定芽原基が形成されたが、その伸長には至っていない。 3.1で増殖した4系統の種間雑種に由来するシュートをアミプロフォスメチルで処理し、倍加の可能性を検討した。その結果、1系統において60mg/lのアミプロフォスメチルを含む液体培地で120時間処理した場合に、完全に倍加した4倍体のシュートを得ることができた。
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