研究課題
国内各地の各種作物の根圏土壌を中心として、選択培地および血清学的手法(エライザ法)を用いた効率的特異検出法により多数の蛍光性シュードモナスおよびバークホルデリア細菌の分離・収集を行ない、常法により純化後、それそれ数百菌株を、生物的防除素材の遺伝(子)資源として、-20~40℃で保存し、以後の試験に供した。蛍光性シュードモナスについては、青枯病菌やリゾクトニア菌に対する抗菌活性ポテンシャルに基づく選抜、および16SrDNAの塩基配列に基づくクラスタリング解析による系統類別を行った。バークホルデリア属(セパシア菌)においては、recA遺伝子等を指標にした遺伝子型(Genomovar:Gv)と、それらに対する抗血清を用いた血清型別を行い、臨床由来株と環境由来株におけるGv型別と血清型別との関連性について検討し、同種細菌の微生物農薬素材としてのリスク評価への利用性についての知見の集積を行なった。Pseudomonas fluorescens菌株の潜在的有用機能として、特異PCRによるDAPG(Ph1)、pyrrolnitrin(Prn)およびpyoluteorin(Plt)の産生遺伝子の検索を行なった結果、複数の陽性株が見出された。また新たにバイオフィルム形成株を発掘した。これまでわが国では報告例がほとんどないフェナジン(phz)等の抗菌物質産生能を持つ菌株を探索、選抜する。これらのすべて、あるいは1種類以上を保有する菌株を選抜し、抗菌スペクトラム、物質産生性および発病抑制作用等との関係について評価する。さらに、B.cepasia complexについては、ヘモリジン(hemolysin)産生性や伝染性関連遺伝子マーカー(esmR)など病原性関連因子の存在について検索する。リスク評価への利用性についての知見を集積を行なった。
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Canadian Journal of Microbiology
巻: 57 ページ: 62-67
Microbes and Environments
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