研究課題/領域番号 |
21380201
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
日本 典秀 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫-昆虫・植物間相互作用研究ユニット, 主任研究員 (80370675)
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研究分担者 |
矢野 栄二 近畿大学, 農学部, 教授 (30355549)
安部 順一朗 独立行政法人農業生物資源研究所, 近畿中国四国農業研究センター・環境保全型野菜研究チーム, 研究員 (20450330)
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キーワード | 土着天敵 / 生物的防除 / ショクガタマバエ / 遺伝的多様性 / マイクロサテライトマーカー / 遺伝子交流 / ミトコンドリアDNA / 移動分散 |
研究概要 |
土着天敵とは何かを遺伝子交流の観点から解明するために、重要農業害虫アブラムシ類の捕食性天敵であるショクガタマバエをモデルケースとして、DNAマーカーの開発と、それを利用した野外における個体群構造の解明を行い、増殖系統の放飼による害虫防除と野外天敵個体群の遺伝的保全の両立を目指す土着天敵利用の指針を得る。本年度は、種内多型検出用DNAマーカーとして一般的に用いられるイクロサテライトマーカーの開発を行った。京都府内で採集され室内継代飼育している個体群から得られた幼虫1個体からDNAを抽出し、マイクロサテライト濃縮ライブラリーを作成、39クローンの塩基配列を決定したところ、29のクローンにおいてマイクロサテライト配列が検出された。これらの領域にプライマーを作成、PCRによる増幅確認を行ったところ、最終的に21遺伝子座のマーカーが得られた。 また、野外個体群における遺伝的多様性の検証、距離と遺伝的分化の関係を明らかにするために、2009年6月に鹿児島県内で18個体群の幼虫を採集し、室内飼育により羽化させた後、雌雄個体別にDNAを抽出した。これらの個体を用いて479個体のミトコンドリアCOI遺伝子部分配列723bpのシークエンスを行ったところ27のハプロタイプが得られた。ただし、72%の個体は単一のハプロタイプを示した。また、鹿児島個体群の一つを累代飼育系統として確立し、すでに飼育している京都個体群とともに交配実験への供試を開始した。
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