研究課題/領域番号 |
21380206
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
横田 明穂 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (40118005)
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研究分担者 |
明石 欣也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (20314544)
蘆田 弘樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (50362851)
宗景 ゆり 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (30423247)
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キーワード | 光合成 / 生産性 / ジャガイモ / ソース能 / シンク能 |
研究概要 |
本申請研究においては、根の発達促進遺伝子を単位面積当たりの生産性が作物中ほぼ最大値を持つジャガイモに導入したとき観察されるソース葉光合成と塊茎デンプン蓄積の昂進の機構を、代謝解析、酵素反応解析、およびこれらに関わる遺伝子の発現解析等を通して解明することを目的としている。これまでの研究で、(1)野生種スイカに乾燥ストレスを施すと、急速に根を発達させること、(2)この発達中の根のプロテオーム解析でDRIP-49の発現などを見出した。このDRIP-49はRanGTPaseファミリーに属するタンパク質である。CaMV-35Sプロモーター制御下にDRIP-49をシロイヌナズナやタバコに導入した場合、発現量が野生株やベクターコントロールのレベルの3倍以上に到達した株においてのみ顕著な根の発達促進効果が見出された。また、プレリミナリー実験では、この遺伝子をCaMV-35Sプロモーター制御下にジャガイモに導入した場合、地上部の葉の光合成速度が20%向上し、塊茎の重量はコントロールの2倍以上に増加した。そこで、22年度は、高発現株の導入遺伝子コピー数と発育中ならびに塊茎形成中のDRIP-49遺伝子のジャガイモ各組織での発現量をリアルタイムPCRによって定量した。また発現蛋白質量はすでに作成済みの特異抗体を用いたウエスタンブロッティングによって定量した。これらの解析で得られたFBP/SBPaseが1コピー、DRIP-49遺伝子が2コピー、ゲノム中に存在する株を2系統、DRIP-49遺伝子単独導入株で1コピーのみ持つ株を3株、2コピー持つものを3株同定した。今後、平成23年度はこれらの株を筑波大学に送り、合同で特定網室試験を実施し、来年度からの隔離圃場での第一種試験に向けた申請を行う。
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