研究課題/領域番号 |
21390002
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
西田 篤司 千葉大学, 大学院・藥学研究院, 教授 (80130029)
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キーワード | アルカロイド / マンザミン / 抗マラリア / ファーマコフォアー / ランドリン / 抗腫瘍 / Diels-Alder反応 / シゾコムニン |
研究概要 |
1)シロキシブタジエンを用いる不斉Diels-Alder反応を鍵とする合成研究 我々が開発した表記反応を用いて光学活性多置換シクロヘキセンを合成した。光学活性ビナフチルジアミンを基盤とするキラルリガンドの探索を行いチオウレア誘導体が、環状シロキシジエンを用いる不斉Diels-Alder反応に有効であることが見いだされた。 2)マンザミンBの全合成研究 マンザミンB合成中間体であるイルシナールBのAB環に相当するヒドロイソキノリン骨格を光学活性体として合成することに成功した。本中間体の合成ルートが確立したことから更にRCMを用いるアザウンデセニル環の合成を検討した。B環の立体廃材が反応に大きく影響することが示唆され、2量体生成が主反応となった。しかし25%ながら目的の閉環体も得られ、NMR解析によりZ-体が主生成物であることが判明した。 3)コプシアアルカロイド、ランドリンAの全合成研究 全合成に向け多置換シクロプロパンの大量合成法が確立した。昨年度検討したDieckmann環化反応は目的物を全く与えないことが判明したため、合成ルートを変更しシクロプロパン融合型インドリン骨格から更に6員環形成を検討した。シリルエノールエーテルとビニル基によるRCM、その後の酸性条件下におけるフッ素処理により、更に6員環が融合したランドリン合成中間体を得ることに成功した。 4)スギヒラタケ培養液から得られたシゾコムニンの合成研究 効率の良い合成法の開発を検討し、天然型と二重結合の立体配置が異なるE-体の生成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不斉Diels-Alder反応の開発は更に基質適用範囲が拡大し、有用化合物合成への展開が期待される。マンザミンB、ランドリン類、シゾコムニンの合成も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は本研究プログラムの最終年度に当たることより、全合成の完成を目指す。 また、不斉Diels-Alder反応を基盤とする新合成方法論の開発には新たに人員を導入しリガンド調製、反応展開、全合成への応用を強力に進める。
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