研究課題/領域番号 |
21390011
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50171616)
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研究分担者 |
戸塚 裕一 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (50312963)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
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キーワード | リポソーム / 局所体内挙動 / 網膜 / 点眼剤 / ステロイド / リモートローディング / 経肺投与 / ペプチド |
研究概要 |
本研究は、我々の開発した微粒子製剤設計及び解析技術を駆使、発展させ、微粒子製剤による1)注射投与に代わりうる薬物後眼部送達法、2)経肺局所及び全身薬物投与法の2つの革新的な低侵襲薬物送達法を実用化する製剤研究基盤を確立することを目的として検討をした。前者に関しては、リポソーム粒子の特性が、後眼部への移行性に及ぼす影響を精査し、粒子径がマイクロサイズから100nmへと変化するにつれて、送達効率が高くなることを明らかにした。実際の製剤設計を視野に入れ、後眼部疾患治療用のモデル水溶性薬物のリボソーム封入効率の向上を目指し、リモートローディング法を適用し90%近い封入率を得ることに成功した。経肺投与リポソーム製剤に関しては、リポソーム表面をキトサン、部分疎水化ポリビニルアルコールで修飾し、それぞれ特徴のある肺内残存挙動を示すことを明らかにした。実際に、ペプチド性薬物カルシトニンを封入したこれらリポソームをラットに投与し、肺内挙動を反映した持続的な薬理効果が現れていることを確認した。これら、表面修飾リポソームは、細胞毒性が極めて低いことを培養細胞を用いて明らかにした。これらの成果は、さらに実際に開発が強く望まれている緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの後眼部疾患、副作用のないステロイド吸入剤の開発を目指すために、極めて有益な知見となる。
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