研究課題
I.DJ-1の機能とパーキンソン病との関連を解析し以下を明らかとした。1)DJ-1によるドパミン生合成と分泌の正の制御ドパミンはチロシンからTH,DDCによって合成され、VMAT2により顆粒に取り込まれプレシナプスより放出される。放出されたドパミンはドパミントランスポーター(DAT)によって再取り込みされる。申請者は、DJ-1とこれらの遺伝子、タンパク質との関係を解析し、現在まで研究計画の表に示すように、転写活性化(TH, VMAT2, VMAT1),DJ-1-タンパク質相互作用(TH, DDC)により、DJ-1がドパミン合成と顆粒への取り込みを正に制御することを明らかにした。2)ミトコンドリア制御因子としてのDJ-1DJ-1はミトコンドリア複合体IのサブユニットNDFFA4と直接結合し、活性を正に制御した。3)分泌DJ-1の機能活性化アストロサイトから分泌されたDJ-1がニューロン細胞死を抑制した。II.DJ-1結合化合物による創薬DJ-1のC106に結合する低分子化合物を同定した。パーキンソン病、脳拘束モデルを使って、これらはDJ-1と同様、動物、細胞レベルで神経細胞死と行動異常を抑制した。これらの化合物はC106のSO3Hへの酸化を抑制することで、活性型DJ-1を維持した。更にこれらをリード化合物として多数の改変化合物を作成し、構造活性相関を行った。
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