研究課題
マウスMuc21の機能解析を目的にVenus蛋白質を発現するバイシストロニックベクターにMuc21の84タンデムリピートを含むもの、及び4タンデムリピートを含むものの遺伝子を種々の細胞に発現させた。293T細胞、TA3-St細胞、CHO細胞等をはじめとする種々の細胞で、Muc21(84TR)の発現に伴って、細胞が浮遊状態となり、しかも浮遊状態で生存し続けることを見出した。Muc21の抗接着性はタンデムリピートの長さに依存していた。また含まれているシアル酸には依存していなかった。Muc21発現細胞は、固相化した細胞外マトリックス成分への接着性が低く、これは細胞表面のインテグリンの機能がMuc21によって阻害されているためであることが、抗インテグリン抗体の結合性の低下によって示された。これらのトランスフェクタント細胞は、モックトランスフェクタントと比べて成長が速かった。これらの機能や免疫抑制能がMuc21の糖鎖の構造に依存する可能性を検証することを最終目標に、Muc21の膜型と分泌型の発現ベクターを新たに構築し、糖鎖の生合成装置に変異を含む細胞株に導入した。一方、トランスフェクタント細胞のin vitroにおける挙動を解明することを目的に、293細胞ヒトMUC21発現細胞のin vivo(ヌードマウス)における挙動を明らかにした。MUC21発現細胞はin vivoにおいて増殖性が高いことが明らかになった。ヒトMUC21の検出に有用な複数のモノクローナル抗体の作製に成功した。これらのモノクローナル抗体の特異性の違いを明らかにすることを試みている。
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