研究課題
既に確立した8種類の立体異性体で構成されるシクロプロパン型ペプチドミメティックの合成法を確立した。この合成法に基づき、βターン構造を認識すると考えられているメラノコルチン受容体(MCR)のリガンドとなるペプチドミメティックを種々設計・合成した。その結果、所望の生物活性があることを確認し、構造修飾を実施したところさらも10倍ものMCR結合活性向上が観察された。以上より、本ミメティクスの創薬化学上の有用性が実験的に立証されている。本年度は、先ず、シクロプロパン型ミメティック三次元構造の詳細な解析を実施した。X-線結晶解析することを目的として、結晶性の良好が期待できる芳香環を側鎖部に配置した立体化学を異にするモデルミメティクス4種を合成し、それぞれのX-線解析を行った。その結果、何れのミメティクスも分子設計上の作業仮説通りに二等分配座効果およびシクロプロパン歪みが効果的に機能し、三次元的に多様に構造が制御されていることが明らかになった。次に、MC4受容体に対する活性配座を探索した。理論計算、X-線結晶解析、NMRによる検討の結果、down/trans-folded型ミメティクスが活性配座であることが示された。以上の結果より、本シクロプロパン型ペプチドミメティクスは、生理活性ペプチド様の薬理活性を有する非ペプチド低分子の創出、さらに、標的受容体およびその内在性ペプチドの構造情報が乏しい場合において、活性配座探索に有用であることが判明した。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件)
Org.Biomol.Chem
巻: 10 ページ: 736-745
J.Med.Chem.
巻: 55 ページ: 2960-2969
巻: 55 ページ: 2970-2980
巻: 9 ページ: 1219-1224
ACS Med.Chem.Lett
巻: 2 ページ: 353-357
J.Am.Chem.Soc
巻: 133 ページ: 14109-14119
Mol.Pharmaceut
巻: 8 ページ: 1698-1708
Bioorg.Med.Chem
巻: 19 ページ: 5984-5988
Adv.Synth.Cat
巻: (in press)