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2010 年度 実績報告書

血管新生阻害療法のためのバイオプローブ分子設計とケミカルジェネティクス

研究課題

研究課題/領域番号 21390033
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

永澤 秀子  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90207994)

研究分担者 奥田 健介  岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00311796)
原 英彰  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
キーワード血管新生阻害 / がん微小環境 / 低酸素 / VEGF / 分子設計 / 抗酸化作用
研究概要

arylidene-thiazolidinedione骨格を基盤として、構造展開を計画し、種々の誘導体を合成した。得られた誘導体について、低酸素及び常酸素下、HCT-116細胞を用いたMTT assay及びclonogenic assayを行ったところ、thiazolidine- 2, 4-dione類はいずれも100μMまでの範囲でほとんど細胞毒性を示さなかった。さらに、鶏卵漿尿膜(CAM)法によるin vivo血管新生阻害試験を実施した。GPU-4は、10ng/CAMという低用量で有意な血管新生阻害作用を示した。また種々の誘導体について構造活性相関を検討したところ、arylidene-thiazolidinedione系血管新生阻害剤において、aryl基からカルボニル基まで連続した共役系による平面性、thiazolidinedione基の水素結合ドナー性及びベンゼン環の3,5位ジメチル基の存在が重要であることが示唆された。GPU-4の作用機構を解明すべく、低酸素応答配列(HRE)をプロモーター領域に有するルシフェラーゼベクターを導入した細胞株HEK293p2.1細胞を用いて低酸素応答プロモーターアッセイを行ったところ、GPU-4は12.5μM以上の濃度でHIF-1転写活性化を抑制した。さらにウェスタンブロットの結果、低酸素で誘導されるHIF-1αのタンパク発現を抑制した。また、リアルタイムPCRにより低酸素で誘導されるVEGFの遺伝子発現も抑制していることが明らかになった。GPU-4及びその誘導体について、マウス高酸素負荷網膜血管新生モデルに対する作用を調べたところ、皮下投与で濃度依存的に網膜異常血管を抑制した。この機構として、VEGF誘発ROS産生抑制作用が関与することが明らかになった。以上より、GPU-4は副作用を伴わない新規網膜血管新生抑制剤になり得ることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Drug discovery for targeting tumor microenvironment.2011

    • 著者名/発表者名
      Nagasawa H.
    • 雑誌名

      J.Pharm.Sci

      巻: 115 ページ: 446-452

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An Arylidene-Thiazolidinedione Derivative, GPU-4, without PPARy Activation, Reduces Retinal Neovascularization.2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura S.
    • 雑誌名

      Curr.Neurovasc.Res.

      巻: 8 ページ: 25-34

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of anticancer drugs targeting the tumor microenvironment2010

    • 著者名/発表者名
      成瀬康介
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20100922-24
  • [学会発表] がん微小環境を標的としたブラジル産プロポリス成分の創薬化学研究2010

    • 著者名/発表者名
      服部久範
    • 学会等名
      第14回日本がん分子標的治療学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20100706-08
  • [学会発表] Drug Discovery for Targeting The Tumor Microenvironment from Propolis2010

    • 著者名/発表者名
      服部久範
    • 学会等名
      AACR 101st Annual Meeting 2010
    • 発表場所
      アメリカ ワシントンDC
    • 年月日
      20100417-20100421

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公開日: 2012-07-19  

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