研究課題
Prostaglandin(PG)D2は睡眠・覚醒サイクルに関係することから、血液脳脊髄系関門(BCSFB)におけるPGD2排出輸送、そしてその過程へのPGTの関与を明らかにすることは重要である。そこで、既報のマウスPGTを発現させたアフリカツメガエル卵母細胞を用い解析を行った結果、[3H]PGD2取り込みが示され、そのKm値は1.1μMと算出された。各種有機アニオン性化合物による阻害効果を検証した結果、PGB1などによって阻害された。[3H]PGD2のBCSFBを介した排出輸送を脳室内投与法によって評価した結果、bulkflowと比較し約20倍高いクリアランス値が得られた(153μL/(min・rat))。さらに、単離脈絡叢への[3H]PGD2取り込みはPGB1などのin vivo PGTを介した[3H]PGD2輸送を阻害した薬物によって阻害された。従って、BCSFBを介したPGD2排出輸送に一部PGTが関与することが示唆された。このPGD2排出輸送について、申請者が単離した新型PGTが関与するか明らかにすることは重要である。昨年度までに数種の新型PGT open reading frame (ORF)単離が成功していたが、予備的な検討結果にてアフリカツメガエル卵母細胞へ新型PGTを発現させても、大きな輸送活性は示されなかった。過去の報告では、アフリカツメガエル卵母細胞と、HEK293細胞などのほ乳類細胞の両発現系間では有機アニオン輸送担体の活性が異なることが示されている。現在、新型PGT ORFをほ乳類細胞発現系ベクターへの組み替えが完了し、現在その発現系の評価及びPG輸送活性の解析に着手している。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件)
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