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2009 年度 実績報告書

尿酸動態調節機構の解明に基づく血清尿酸値変動評価システムの樹立

研究課題

研究課題/領域番号 21390044
研究機関金沢大学

研究代表者

玉井 郁巳  金沢大学, 薬学系, 教授 (20155237)

研究分担者 白坂 善之  金沢大学, 薬学系, 助教 (60453833)
キーワード尿酸 / トランスポーター / 薬物間相互作用 / 腎臓 / URAT1 / OAT
研究概要

高尿酸血症は痛風や腎・血管疾患の危険因子となるため、尿酸値管理が重要である。しかし、尿酸調節機構の分子的詳細は不明である。また、尿酸代謝と排泄には種差があることから、ヒトの尿酸調節機構を反映した動物モデルについても明らかではない。そこで本研究では尿酸値調節に重要な腎排泄に着目し、腎尿酸トランスポーターについてヒトとラットの尿酸排泄調節機構の解明を検討した。はじめにヒトの腎から新たにOAT2が尿酸分泌に働くトランスポーターであること示した。さらにモデル動物について検討を行った。ラットはヒトと同様に腎臓で尿酸を再吸収する動物種である。しかしながら、その再吸収に働く分子実体については明らかになっていなかった。そこで分子実体を見いだし、その機能をヒトのトランスポーターと比較することによってラットの有用性を評価することが可能になると考え、ラットの尿酸再吸収トランスポーターの同定を行った。対象としてヒトで再吸収に働くURAT1とURATv1のラットオルソログを単離し、機能解析を行った。尿酸輸送特性と発現部位を検討し、ヒトと同様にラットでもUrat1、Uratv1によって尿酸を再吸収することを示唆した。またこれらのトランスポーターに対する尿酸や薬物の親和性がヒトと比較して低いことを見いだし、ヒトの腎尿酸排泄モデルとしてラットを用いる場合には、尿酸の親和性の違いに基づく再吸収効率の違いや薬物の親和性の違いに基づく薬効の違いを考慮する必要があるという結論を得ることができた。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 図書 (6件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Renal secretion of uric acid by organic anion transporter 2 (OAT2/SLC22 A7)2010

    • 著者名/発表者名
      Sato M., Mamada H., Anzai N., Shirasaka Y., Nakanishi T., Tamai I.
    • 雑誌名

      Biol.Pharm.Bull. 33

      ページ: 498-503

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hepatic Uptake of {gamma}-Butyrobetaine, a Precursor of Carnitine Biosynthesis, in Rats2010

    • 著者名/発表者名
      Fujita M, Nakanishi T, Shibue Y, Kobayashi D, Moseley RH, Shirasaka Y, Tamai I.
    • 雑誌名

      Am.J.Physiol.Gastrointest Liver Physiol (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Angiotensin II Receptor Blockers Induce Alteration of Serum Uric Acid Level via Renal Uric Acid Transporters, A Review of the Authors' Current Research, 33, 149-161 (2009)2010

    • 著者名/発表者名
      Sato M., Anzai N., Tamai I.
    • 雑誌名

      Gout and Nucleic Acid Research 33

      ページ: 149-161

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Organic Anion Transporter OAT1 Is Involved in Renal Handling of Citrulline2009

    • 著者名/発表者名
      Nakakariya M, Shima Y, Shirasaka Y, Mitsuoka K, Nakanishi T, Tamai I.
    • 雑誌名

      Am.J.Physiol.Renal Physiol. 297

      ページ: F71-F79

    • 査読あり
  • [学会発表] ラットを用いた薬物による尿酸動態変動の評価2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤正延, 嶋田翔, 細見篤史, 中西猛夫, 玉井郁巳
    • 学会等名
      第43回痛風核酸代謝学会年会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター、(大阪市)
    • 年月日
      2010-02-26
  • [学会発表] Transporters Involved in Uricosuric and Antiuricosuric Effects of Anti-hypertensives2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, 佐藤正延
    • 学会等名
      米国腎臓学会年会
    • 発表場所
      サンジエゴコンペンションセンター、サンジエゴ市、(米国)
    • 年月日
      2009-10-30
  • [学会発表] がんの診断と治療へのトランスポーター活性の利用2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳
    • 学会等名
      日本医療薬学会年会
    • 発表場所
      長崎医師会館、(長崎市)
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] 尿酸代謝に及ぼすARBの影響2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳
    • 学会等名
      高血圧診療UpDate研究会
    • 発表場所
      ホテル金沢 (金沢市)
    • 年月日
      2009-10-15
  • [学会発表] 医薬品の吸収にトランスポーターはどこまだ関わるか2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳
    • 学会等名
      創薬薬理フォーラム 第17回シンポジウム
    • 発表場所
      長井記念館、(東京)
    • 年月日
      2009-09-10
  • [学会発表] ここまでわかってきた消化管吸収における薬物吸収分子機構薬物の吸収性を調節する消化管トランスポーター2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳
    • 学会等名
      第28臨床薬理阿蘇九重カンファレンス
    • 発表場所
      ハウステンボス、(佐世保市)
    • 年月日
      2009-07-18
  • [学会発表] TDMとトランスポーター研究2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳
    • 学会等名
      日本TDM学会学術年会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター、(新潟市)
    • 年月日
      2009-06-13
  • [学会発表] Role of Intestinal and Hepatic OATPs in Drug Absorption and Disposition2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳
    • 学会等名
      3^<rd> Asian-Pacific ISSX Meeting
    • 発表場所
      インペリアルクイーンズパークホテル、バンコク市、(タイ)
    • 年月日
      2009-05-10
  • [図書] 薬物の消化管吸収予測研究最前線2010

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, ら共著
    • 総ページ数
      130
    • 出版者
      株式会社メディカルドゥ
  • [図書] 細胞の構造とオルガネラ2010

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, ら共著
    • 総ページ数
      271
    • 出版者
      廣川書店
  • [図書] 薬物代謝学・医療薬学・医薬品開発の基礎として、第3版2010

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, ら共著
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      東京化学同人
  • [図書] 薬物トランスポーター活用ライブラリー2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, ら共著
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      羊土社
  • [図書] 臨床薬物動態学2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, ら共著
    • 総ページ数
      415
    • 出版者
      医学書院
  • [図書] 薬と疾病IB。薬の効くプロセス (2) 薬剤2009

    • 著者名/発表者名
      玉井郁巳, ら共著
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      東京化学同人
  • [備考]

    • URL

      http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/lab/doutai.html

  • [備考]

    • URL

      http://spect.w3.kanazawa-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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