研究概要 |
本研究ではクラスリンアダプタータンパク質であるGCA1,2,3およびAP1の機能についてタンパク質の品質管理という観点から研究を行っており、そのための実験系の開発やアクセサリータンパク質群の機能解析を進めている。本年度は以下の成果が得られた。 1.GGAのアクセサリータンパク質であるp56の生体内における局在を、免疫蛍光抗体法により解析した結果、ラット脊髄後根神経節の神経細胞体においてp56がGGA,TGN38などのTGNマーカーと良い共局在を示した事から、培養細胞同様に生体内においてもp56がゴルジ体での蛋白質輸送に関与していることが示唆された。 2.さらに、p56の生理機能を明らかにする目的でCre/loxPシステムを用いたp56ノックアウトマウスの作成を開始し、これまでに相同組換えES細胞株の樹立に成功した。 3.前年度より開始したショウジョウバエ個体を用いたRNAi実験により、GGAとAP-1の両方が生体にとっては生存に必須な機能を持つことが示された。また、複眼特異的なノックダウンにより、AP-1機能が、正常な複眼発生に必須であることが示された。 4.ショウジョウバエS2培養細胞および個体を用いた実験系によりAP-1と遺伝学的相互作用を示す分子を探索した結果、新規ORF,CG8538を同定した。生化学的、細胞生物学的解析により、CG8538pが哺乳動物のAP-1/GGAアクセサリータンパク質であるAftiphilinのショウジョウバエオルソログである事を見出し、dAftiphilinと名付けた。 上記1、3及び4の成果については学会で発表した。
|