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2009 年度 実績報告書

クロトー分子が認識する糖鎖構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21390058
研究機関京都大学

研究代表者

伊村 明浩  京都大学, 医学研究科, 助教 (60362513)

キーワードクロトーレクチンファミリー / 電解質(リン・カルシウム) / 3-硫酸化グルクロン酸 / 線維芽細胞増殖因子(FGF) / 糖鎖有機合成 / 質量分析(MS-MS) / 表面プラズモン共鳴(SPR) / 原子間力顕微鏡(AFM)
研究概要

アルファークロトー遺伝子はリンやカルシウムなど電解質の恒常性維持に深く関わっている。この遺伝子群は糖分解酵素群遺伝子と高い構造相同性を保っているが、アルファークロトータンパク質の分子的な機能や、その構造的な意義はこれまでほとんど分かっていなかった。アルファークロトーが糖認識タンパク質として機能するのではないかとの着想にもとづいて、その結合分子であるナトリウムポンプや線維芽細胞増殖因子の糖鎖修飾の解析を行なった。
本研究の目的である「アルファークロトーが認識する糖鎖の構造を明らかにする」部分について、その糖鎖は線維芽細胞増殖因子の178番目のスレオニン残基に付加されていることが強く示唆された。その糖鎖の具体的な構造は、一つの硫酸基を持つウロン酸とアセチル化されたヘキソースアミンからなることが質量分析の結果から分かった。また、アルファークロトーはエストロングルクロン酸のグルクロン酸部分に選択的に結合し得ることを示した。
本研究の「研究実施計画」にあるように、アルファークロトーが結合を示す二糖の分離に成功した。約1ミリグラムの精製された線維芽細胞増殖因子から、ヒドラジンを用いてO型糖鎖を分離することができた。ついで、これらのO型糖鎖を精製することで、アルファークロトーが結合する糖鎖の構造を同定する道筋が開かれた。
アルファークロトーが結合する糖鎖の構造が分かれば、その機能を人為的に調整することができる。つまり、アルファークロトーの機能の変化を原因とする疾患に対する新たな治療戦略を創出できることとなる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Relevant use of Klotho in FGF19 subfamily signaling system in vivo.2010

    • 著者名/発表者名
      Tomiyama K, ら、(12番目)
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA.

      巻: 107 ページ: 1666-71

    • 査読あり
  • [雑誌論文] αクロトー研究から見たエイジング2009

    • 著者名/発表者名
      伊村明浩、鍋島陽一
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 67 ページ: 1283-1288

  • [学会発表] クロトー分子と共役するカルシウム代謝分子群のモーダルシフト2009

    • 著者名/発表者名
      伊村明浩
    • 学会等名
      セルセンサー平成21年度冬の班会議
    • 発表場所
      箕面観光ホテル
    • 年月日
      2009-12-24
  • [備考]

    • URL

      http://lmls.med.kyoto-u.ac.jp/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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