研究課題/領域番号 |
21390059
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
亀山 正樹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60150059)
|
研究分担者 |
矢澤 和人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (90212274)
蓑部 悦子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (00448581)
|
キーワード | 生体膜 / チャネル / トランスポーター / 能動輸送 / シグナル伝達 |
研究概要 |
L型Caチャネルは、神経、筋、分泌組織などに広く分布して、細胞機能に重要な役割を果たしており、Ca/カルモジュリン(CaM)系、AキナーゼやCaMKIIなどによる蛋白リン酸化、G蛋白質の直接作用(促進及び抑制)などで複雑に調節されている。心筋L型Caチャネルに関しては、AキナーゼやCaMKIIなどのリン酸化による調節とCaイオンによる調節が最も重要である。そこで、本計画では、1.L型CaチャネルのCDFとCDIについて、CaセンサーであるCaMの作用部位を同定する。2.L型Caチャネルの調節に関わるAキナーゼおよびCaMKIIのリン酸化部位を同定する。3、CaMの作用とチャネルリン酸化とのクロストークを明らかにし、両機構間の相互作用を解明する、の3点を研究目的として電気生理学的および分子生物学的実験を行い、次の成果を得た。1.チャネル断片(N末部、リピートI-II間の細胞内ループ[LI-II]、C末部)のGST融合ペプチドとCaMとの結合の親和性をpull-down法で調べた結果、親和性の高い順に、チャネルC末部>N末部>LI-IIであった。2.C末部のIQ領域へのCaM結合が、カルパスタチンのL領域ペプチド(CSL)によって競合阻害され、パッチクランプ実験においてもCaMとCSLとの間に部分アゴニスト的競合が認められた。3.チャネルのPKAによるリン酸化部位の同定については、チャネルC末近位部のリン酸化が認められたが、なお検討が必要と判断された。これに関し、チャネルC末近位部のGST融合ペプチドが凝集しやすく不安定であったので、その可溶性向上に取り組み、一定の成果を挙げた。
|