研究概要 |
平成22年度の研究課題 平成21年度に精製した断片化組換えハブトビン蛋白変異体habu_mut2,habu-mut3の大量精製を試みる。habu-mut2,habu-mut3の蛋白変異体のもつ抗血栓作用を調査し、機能発現の責任構造を特定する。ハブトビン分子内には、抗血栓機能(特に、血小板凝集抑制作用)の発現に一致する構造的部位が存在すると推察される。よって、平成22年度では、habu-mut2,habu-mut3の血小板凝集抑制作用を中心に研究を実施した。 平成22年度の研究成果 1)habu-mut2、habu-mut3蛋白変異体の追加大量精製を実施 平成21年度に作製した発現ベクター(habu-mut2および3/pPSC12)DNAとバキュロウイルス(AcNPV)をSf9細胞へトランスフェクションし、habu-mut3を作製し、MOI=2,10となるように添加後、振とう培養しその上清をPBSで透析後、HisTrapFFカラムで、affinity chromatographyを行い、Imidazoleグラジィエントにより組換えタンパクの溶出を行った。溶出した分画のSDS-PAGE後、CBB染色、抗HisTag抗体を用いたWestern Blotting後、HisTagタンパク質、すなわちHisTag-habu_mut3が確認された分画を回収し濃縮後、D-PBSで透析し、精製ハブトビン蛋白変異体habu-mut3として使用した。habu-mut2も同様に発現、精製を行った。血小板への作用実験条件には、habu-mut3が多量に必要となり追加大量生成を時間をかけて実施した。 2)habu_mut2およびhabu-mut3蛋白変異体の血小板凝集抑制作用 日本白色家兎洗浄血小板(WP)を作製した。WPにPBS(コントロール)、habu-mut2およびhabu-mut3を反応後、collagenを添加した。家兎血小板collagen凝集を両ハブトビン変異体は、コントロールに比して約20-40%抑制した。したがって、habu-mut2および3の共通するアミノ酸配列上に血小板凝集抑制に関与する構造の存在が予測された。
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