研究課題/領域番号 |
21390064
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142713)
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研究分担者 |
吉川 朋子 (仲村 朋子) 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (30451397)
西出 真也 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40451398)
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キーワード | 生物時計 / 時計遺伝子 / 発光イメージング / リズム同期 / 自発発火 |
研究概要 |
多数の時計細胞により構成され多振動体階層構造をもつ視交叉上核(SCN)では、個体が環境周期に適応して適切なリズムを示すために、細胞間リズムカップリングや部位特異的振動体間の位相調節が重要な鍵となる。平成21年度では、階層構造の各レベルのリズム発振に注目し、以下の成果を上げた。 1)SCN培養系による部位特異的多振動の位相調節機構:長日および短日に同調させたPer1-lucマウスのSCN水平断培養を行い、点灯に同調し行動終了を制御する振動体と、消灯に同調し行動開始を制御する振動体部位を細胞レベルで同定し、前SCNにみられた第三の振動体の部位を明らかにした。 2)SCN内各振動体の出力経路と末梢時計:光ファイバーをSCN直上に挿入し、照明と連動したファイバー測光と自発行動の同時計測システムを完成された。本システムを用い、SCN内に光による行動リズム変位と一致した位相反応を示す振動細胞群があることを見出した。 3)概日リズム発振と同期に関わる分子機構の検討:恒常暗で行動リズムが消失するため無周期変異とされていたCry1/2ノックアウトマウスを用い、個々の視交叉上核細胞が脱同期したPer1発現リズムを示すこと、神経発火リズムは同期しているが周囲が不安定であることを明らかにし、Cryがリズム発振ではなく振動細胞間同期とSCNからのリズム出力に関わる遺伝子であることを示した。 4)SCNによる末梢時計調節機構の検討:中枢-末梢時計相関を明らかにするため、自発行動と同時に皮膚や大脳皮質の時計遺伝子発現をリアルタイム定量計測するシステムを立ち上げた。21年度は、体表からの発光計測機器をセットアップし、2種の基質の定速長期持続注入法を比較検討した。
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