研究課題/領域番号 |
21390070
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 尚亮 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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研究分担者 |
上山 健彦 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環・バイオシグナル研究センター, 准教授 (80346254)
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キーワード | プロテインキナーゼC / 脊髄小脳変性症 / 神経変性 / カルシウム / 遺伝子変異 / アミロイド |
研究概要 |
本研究ではPKCγの機能破綻による2つの疾患(1)小脳脊髄変性症、(2)パーキンソン病に焦点を当て、1)これら疾患発症におけるPKCγの役割、発症メカニズムを明らかにするとともに、2)(1)(2)疾患のモデルマウスを作製し、さらには治療薬の新しい標的を見出すことを目的として行った。 本年度は、(1)SCA14モデルマウスを作製し、生後1年半以上観察したが、小脳失調症状、プルキンエ細胞脱落などの病理的所見は見られなかった。しかし、生後1年後より、プルキンエ細胞内に凝集体を観察した。このような凝集体は、変異型PKCγを過剰発現させた繊維芽細胞にも認められ、電子顕微鏡下で観察するとアミロイド繊維様の凝集を形成していることが明らかとなった。また変異型PKCγを精製し、37度にて放置するとthioflavin染色でも電子顕微鏡観察でも、アミロイド様線維を形成することが明らかとなった。これらの所見はSCA14の発症に、変異型PKCγのアミロイド形成が関与することを示しており、治療薬の標的を見出す観点において非常に重要と考えられる。同時にこれらアミロイド形成を抑制する物質の検討を行い、候補物質としてトレハロースを見出した。 (2)PKCγノックアウトマウスが、パーキンソン病モデルマウスとなりうることを報告した。また、PKCγの機能低下がパーキンソン病発症に関与するメカニズムを明らかにするために、リン酸化プロテオーム解析を行い、PKCγの線条体ドパミン神経における生理的な基質の探索を行った。
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