研究課題
PX-RICSによるスパイン形態の制御機構に関して解析を行った。PX-RICS依存的輸送系の構成因子の樹状突起およびスパインにおける局在を、免疫蛍光染色により解析した。その結果、cargoであるN-cadherinおよびβ-catenin、リンカーである14-3-3ζ/OおよびGABARAP、モータータンパクdynein/dynactinのいずれもが、spineapparatus(樹状突起に広く分布する小胞体・ゴルジ体様の膜構造)に局在することを見出した。したがって、PX-RICS依存的輸送系が、樹状突起およびスパインにおいても機能している可能性が強く示唆された。NMDAの短時間刺激によるLTD誘導系(chemo-LTD)において、CaMKIIおよびGABARAP依存的に、GABAA受容体g2サブユニットの表面発現が増大することが分かっている。この系で、PX-RICSがCaMKIIによりリン酸化されて14-3-3ζ/Oとの結合が誘導され、GABARAPと協調的にg2サブユニットの表面発現に関与することを見出した。したがって、PX-RICS依存的輸送系が、樹状突起においてg2サブユニットの輸送を介してLTDの誘導に携わる可能性が強く示唆された。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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