• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

微小環境構築と転写ネットワーク解析による免疫反応制御の分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 21390077
研究機関京都大学

研究代表者

清水 章  京都大学, 医学研究科, 教授 (00162694)

キーワード免疫制御 / 腸管免疫 / 制御性T細胞 / IgA / Runx / retinoic acid / TGF-β1 / 自己免疫炎症
研究概要

免疫反応が効率よく的確に進行するためには、多種類の細胞がリンパ節の胚中心などの特異的な構造を構築し、この構造に由来する微小環境からの信号によって個々の細胞における転写ネットワークが制御され、調和した細胞機能が発揮されることが不可欠である。本研究では、微小環境を細胞培養系で再現しつつ、これが制御する転写因子とそのネットワークを解析することによって、免疫反応を制御する分子機構を解明することを目指している。April、IL-5、retinoic acidならびにTGF-β1の添加によりIgAへのクラススイッチ組換えを高効率に誘導することができるin vitro培養実験系を確立した。この結果は、個体内で最も多く産生されているにもかかわらず効率よい試験管内誘導法が見出されていなかったIgAへのクラススイッチ組換えが、腸管という特異的微小環境に依存していること、本研究で見出された方法がその微小環境を再現できていることを示している。本年度の研究成果として、この試験管内誘導系とRunx転写遺伝子破壊マウスのBリンパ球を用いた実験からIgAへのクラススイッチ組換えにはRunx転写遺伝子が必須であり、同転写因子がretinoic acidならびにTGF-β1信号の下流で機能していることが示された。さらに、転写因子Runx3を欠損したリンパ球を持つマウスは、前腫瘍性病変である自己免疫性の炎症性腸炎を高頻度に発症することを見出した。Runx3が制御性T細胞の分化・成熟に必要であり、Runx3の欠損によって制御性T細胞の機能不全に陥るため、正常な動物では抑制されている腸炎が生ずることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Runx3 is required for full activation of regulatory T cells to prevent colitis-assocfated tumor formation.2011

    • 著者名/発表者名
      Sugai, M., et al.
    • 雑誌名

      J.Immunol.

      巻: 186(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functions of Runx in IgA class switch recombination.2010

    • 著者名/発表者名
      Sugai, M., et al.
    • 雑誌名

      J.Cell.Biochem.

      巻: 114 ページ: 409-414

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Graded attenuation of TCR signaling elicits distinct autoimmune diseases by altering thymic T cell selection and regulatory T cell function..2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, S., et al.
    • 雑誌名

      J.Immunol.

      巻: 185 ページ: 2295-2305

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi