研究課題
これまでの成果を踏まえつつ、免疫反応、特に抗原刺激を受けた後のリンパ球の最終分化および自己反応性の抑制に関連する現象すなわち、クラス変換、高親和性抗体産生細胞の選択、液性免疫記憶の獲得、自己抗体産生・自己攻撃性の抑制などを誘導できる微小環境の再現に引き続き努めた。具体的には、1. これまでに検討・確立した方法を拡張し、立体的な配置も可能な培養系や各種液性因子(ケモカイン、サイトカイン、リンホカインなど)の併用や逐次添加などによる微小環境再現培養系を構築した。この培養系で各種ストローマ細胞株と別途刺激したBリンパ球の共培養、あるいは液性因子の経時的制御によって、微小環境の3次元的あるいは経時的な再構築・再現を試みた。2. 微小環境の3次元的な構築再現系において、ストローマ細胞側で発現している細胞表面 ligand 分子、液性調節因子を経時的・半定量的に解析し、微小環境を代替できる分子刺激を検索し、この情報を上記培養系構築実験にフィードバックした。これまでの成果と上記実験の結果を随時利用しつつ、リンパ球の側における転写ネットワーク制御について、クラススイッチ組換えの標的制御、体細胞突然変異導入、高親和性抗体産生細胞の選択、液性免疫記憶の獲得、自己抗体産生・自己攻撃性の抑制のそれぞれに関与するものに切り分けつつ更に解析を進めた。すなわち、4. Id2, 3、Runx2, 3、SIP、CEBP など免疫反応の制御への関与が予想されている転写因子をはじめとする各種遺伝子の破壊マウスのBリンパ球を上記微小環境再現系における共培養や RAG2 遺伝子破壊マウスへの移植によって反応を評価し、それぞれの反応に関与する因子の同定を試みた。
2: おおむね順調に進展している
本研究に必要な核種遺伝子破壊マウスの繁殖が期待されたほどは進まなかったため、研究経費の一部を平成24年度に繰り越し、一部の実験の実施が遅れたものの、実施計画書および交付申請書に記載し、計画していた実験はほぼ完了し、ほぼ期待通りの結果を得ることができ、微小環境再現培養系がほぼ構築できた等の成果が得られた。
これまでの成果を踏まえつつ、免疫反応、特に抗原刺激を受けた後のリンパ球の最終分化および自己反応性の抑制に関連する現象すなわち、クラス変換、高親和性抗体産生細胞の選択、液性免疫記憶の獲得、自己抗体産生・自己攻撃性の抑制などを誘導できる微小環境の再現に引き続き努める。具体的には、1. これまでに検討・確立した方法を拡張し、立体的な配置も可能な培養系や各種液性因子の併用や逐次添加などによる微小環境再現培養系を構築する。この培養系で各種ストローマ細胞株と別途刺激したBリンパ球の共培養、あるいは液性因子の経時的制御によって、微小環境の3次元的あるいは経時的な再構築・再現を試みる。2. 微小環境の3次元的な構築再現系において、微小環境を代替できる分子刺激を検索し、この情報を上記培養系構築実験にフィードバックする。以上の結果を随時利用しつつ、リンパ球の側における転写ネットワーク制御について、上記のそれぞれに関与するものに切り分けつつ更に解析を進める。すなわち、3. Id2, 3、Runx2, 3、SIP、CEBP など免疫反応の制御への関与が予想されている転写因子をはじめとする各種遺伝子の破壊マウスのBリンパ球を上記微小環境再現系における共培養や RAG2 遺伝子破壊マウスへの移植によって反応を評価し、それぞれの反応に関与する因子の同定を試みる。4. 3.で同定された因子に対して、これに結合し、これを制御する可能性のある因子検索する。候補遺伝子について、各種遺伝子破壊マウスのBリンパ球での遺伝子発現の DNA chip を用いた網羅的検討になどよって、遺伝子破壊によって生ずる発現の差と個々の免疫反応、機能の差を関連づけを行う。これらにより関与する因子の確定を試みる。 以上を総合して、研究成果を取り纏める。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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