研究課題
(1) 肝細胞の増殖に必須なプロリンの作用機構の解析初代培養肝細胞は増殖因子刺激に呼応して速やかにDNA合成を開始するが、その培養液中にプロリンが含まれることが必須であることが明らかにされている。そこで、プロリンの作用点を解析したところ、細胞周期G1/S期のサイクリンであるcyclin Eの蛋白レベルでの発現蓄積を引き起こすことを見出した。さらに増殖因子の存在に関わらず、プロリン添加のみで肝細胞のcyclin Eの蓄積が認められたことから、増殖因子→cyclin D発現上昇→cyclin E発現上昇という経路以外にプロリンが作用していることが示唆された。(2) TDOの発現誘導機構の解析TDOの発現は肝実質細胞の分化状態を反映しているおり、肝細胞の最終分化マーカーとして用いられている。TDO遺伝子の5’上流領域の解析から、マウス、ラット、ヒトの種間で保持されている相同性領域を見出しており、マウスでは約-15kbの領域に存在する。この領域に結合する転写因子をTFSEARCHプログラムにより検索したところ、C/EBP-αが候補に挙げられた。さらに、肝細胞内における結合はChIPアッセイにより確認した。次に、C/EBP-αがTDOの転写活性に影響を及ぼすかどうかを調べるため、ルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、マウスの約15kbの領域を含むコンストラクトはC/EBP-αに依存してルシフェラーゼ活性が上昇した。以上より、TDO遺伝子の上流に存在する相同性領域は、C/EBP-αを介してTDOの発現に関与していることが示唆された。
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